2010年07月04日

tgvfu

先日奇妙な電話がありました。

未成年者グループによる
殺人事件が数年前にありました。
地元では、連日かなりの報道がされ、
大人であれば、ああ、あの事件という
有名な事件です。

そのグループの一員だった人の父親だと
その人は名乗るのです。

その人の子供は、現在殺人罪で、
刑務所に服役中なんだそうです。
刑務所から父親に手紙が届いたというのです。

その手紙には、
罪を犯したことを反省していて、
被害者の遺族にお詫びがしたい。
ついては、仙台の弁護士の私に、
連絡を取ってほしいと記載されていたそうです。

私には、その手紙を書いた受刑者の
名前に心当たりはありませんでした。

もっとも名前に心当たりが無いことは
日常茶飯事なので、
忘れているだけかもしれませんが、
確か、未成年だったし、
事件がらみにしても、私生活にしても、
全く心当たりが無いのです。

後に、私の懇意にしている議員さんが
被害者の家族の知り合いだったということを思い出し、
この遺族の方が、私の名前を出したのかなと思い
問い合わせてもらいましたが、違いました。

この被害者の家に、過熱する報道機関が、
お焼香を装い、取材だということは隠して、
家の中の写真を撮ったりしたということを聞いて、
ひどいことするなあと感じたものでしたが。

さて、電話で父親に、
反省してお詫びがしたいといっても、
賠償をするということかと尋ねたら、
そうだと思うというのです。
でも、お子さんは未成年者だったと思うので、
お金は無いでしょうと聞いたら、
それもそうだというのです。
親である自分たちが考えなければならないだろう
というのです。

それで、私に何を依頼したいのか、
そもそも、どうして私の名前がでているのか
と尋ねたら、
父親は、手紙に書いてないのでわからないというのです。
失礼ですが、要領の得ない話でした。

どうも私の名前は、警察の留置所とか拘置所
刑務所なんかで流通しているようです。
ごくたまに警察から電話が来て、
逮捕されている人から面会に来てほしいと
要請があったと知らせてくることがあります。
名前を忘れてしまっているのかなと思い、
行ってみると、
誰とは言わないのですが、紹介されたというのです。

被疑者国選制度や当番弁護士制度が充実してからは
あまり、そういう電話は来なくなりました。

ところで、
事件から数年たっても、
加害者は、事件を悔いて、被害者や遺族に
お詫びをしたいという、
居ても立ってもいられない気持ちを持つのだということを
持つ人がいるのでということを
初めて体験しました。
弁護士は、裁判までの関与ということが多く、
比較的事件の記憶が生々しい時に関与することになり、
数年を経ての関与ということはあまりありません。

ところで、刑事事件の被害弁償についてですが、
裁判前に終わることが多いです。
事件の犯人は、弁償するお金が無いことが多く、
親などが弁償を立て替えるというのは、
大体は、刑を軽くしてあげたいという親心から
無理をすることが多いのです。
逆に被害者の立場からは、
経済的には、裁判になる前に示談することが有利であり、
刑務所に行くことが決まってから裁判をしても、
勝訴判決をもらっても、
誰も払う人はいないということもありうることになります。
未成年者であっても、
親が子供の責任をとって損害賠償義務を負うことは、
めったにありません。

ところが、この父親も、子供からの手紙を読んで、
考えなければならないと言っているわけです。
ということは、
事件が起きてからの数年間、
この父親も、自分の子供の罪に苦しみ続けていた
ということになるのでしょう。
償いをしなければならないと思い続けてきたのでしょう。
そうでなければ、子供からの一通の手紙で、
膨大な賠償額を、一生かかって払い続けるということを
簡単に決意するということにはならないと思います。

電話を受けた当初は、奇妙な話だということで、
終わりました。
よく考えたら、
なかなか弁護士が体験できない、
事件から数年を経た、加害者の心情と
加害者側の親の心情に触れる貴重な
体験だったことになります。

父親は、最後に、子供によく話を聞いてみる。
刑務所までいって面会してくると言って
電話を切りましたが、
その後連絡は、まだ来ていません。
こちらから連絡するのもためらわれるので、
このままになるような気もします。

それにしても、どうして私の名前が
でたのでしょう。

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posted by tuto at 12:39| 東京 🌁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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