2005年11月24日

美容院にグロ画像の切り抜き持っていってこんな髪型にしてくださいっていってみた

・強い(強く見える)
これは大事。おまいらが思ってる以上に女は自然と強い男に惹かれる。
動物学的な完璧な根拠。おまいらみたいな白いモヤシはすっこんでろww

・自己中⇒てことは引っ張っていってくれる頼りのある男
おまいらに女を引っ張っていくことなんてできんの??ww
無理だろww女は男に引っ張っていってほしいもの

・男らしさ
もやしはすっこんでろww

・女の体をストレートに求める
おまえらみたいにむっつりじゃなくてストレートにやらせろって
言うぜおれは。女は体求められたらうれしいんだよ



今日CD買いに行ってレジに並んだら前に幼女が千円札数枚と小銭いっぱいを握りしめて
動物の森DSを買おうとしてたんだ。
店員が十円と五円がいっぱいの小銭を数えてたら
10円足りなかったようで幼女がおどおどし始めた。
俺はそっとその場でしゃがんで自分の財布から10円玉を出して「落ちてるよ」と言ってその子に渡してあげたんだ。

その子は満面の笑みでありがとうと言ってホクホク顔で買っていった。
レジが俺の番になったとき店員が「優しいんですね」と言って微笑んでくれた。
posted by tuto at 22:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ラーメン食いに行かない?って女誘ったら

行かないってさ

「ラーメン食いに行く?」
これならよかったんじゃね





おまえ「私はお腹が空きました。そこであなたとラーメンが食べたくなりました。ラーメンを食べに行きませんか?」

女「私は今日はあまりラーメンを食べたい気分ではないので行きません」
おまえ「私はお腹が空きました。そこであなたとラーメンが食べたくなりました。ラーメンを食べに行きませんか?」

女「私はあなたにあまり良い感情を持ち合わせておりませんので行きたくありません」



「男の人は(過去の恋を)引きずるのかもしれませんね。女の人は多分、ある人で終わったら
本当に終わってるんですよ。終わったら(相手のことは)嫌いなの」と歯切れよく即答。
「男の人は前の人も、前の前の人も、前の前の前の人も、ず〜っと好きなんだもん。欲張り。
だからこじれるのよ


男は名前を付けて保存
女は上書き保存



自分に都合のいい人でなくなったらポイ捨てするのが
男らしいと言われてみると男らしいとは非情さということだ。
ほんとは女のほうが負けず嫌い



メイド喫茶じゃなくてドキュン喫茶ってないのか?w



よしっ俺この娘をボウガンで撃つよ母さん
posted by tuto at 17:14| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ホームレスを殴ったときの怯えた表情がたまらない

躰だけと思われてるかもしれんからもっと紳士ぶる。

ある程度手がだせる状況ってことなら、
まずキス。その気にさせるようにねっとりと。
後はペッティングを混ぜつつキス。で、段々防御が
弱くなってくるんで、そのまま畳み掛ける。
posted by tuto at 17:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

おまえらみてたらさ、高校の頃 暗いやつに話しかけたらやたらと嬉しそうな顔になって必死で面白い事いおうとしてたの思い出したよ―――――――――なあ、とんかつ食いに行こうぜ!!

この街に女なんているわきゃあねえーーーーーそうだろみんなーーーーー



Fランク大の俺は面接でFFの攻略法聞かれた

Fランク大の俺は面接で、何か作ったことはありますか?って聞かれたからミニ四駆って答えた

落ちた



カオリの痛みが俺の中に入ってくる



不良なら授業中に挙手して「ラーメン食ってきてもいいっスか?」だろうが


俺はかっこ悪いのに身につけてる時計だけはすごくかっこいい
俺がこの時計でこの時計が俺だったらいいのにな
posted by tuto at 16:27| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

人生をネタに使えるって、なんか、最高にかっこいいぜ

高2のとき、スパイラル・アライブっていう漫画を読んだんだ。
その漫画に、主人公が、「このままじゃ追いつけない男がいるんです」
みたいなこと言って、いきなり学校を自主退学するシーンがあったんよ。
もうビビビッてきちゃってさ。こりゃあカッコいいって思ったわけ。
思い立ったが吉日、ってな。親に学校を辞めたいって言ったのよ。
もちろん親は本気になんて取らないでさ。「あっそ」って感じの含み笑いなんか浮かべちゃって。
ま、そのまま俺は部屋で退学届けを書いたの。
「進学校で成績も良いのにいきなり学校を辞める俺カッコいい!」なんて思いながらさ。
まあ実際は地元の工業高校なんだけどさ。

次の日、HRの時間にいきなり席を立って、先生に退学届と書かれた封筒を突きつける俺。
「…このままじゃ追いつけない男がいるんです」
静まり返る教室。先生の唖然とした顔。マジで俺かっこいい。

…後日、親を呼び出されました。
あんなタンカ切っといて帰ってくるのもかっこ悪いので、意地を張って本当にそのまま退学。

高校の頃、教師が何か面白いことを言ったり
誰かが笑いを取るようなことをやったりしてクラス中が沸いているときも、
いつも俺ひとりだけにこりともしなかった。
カッコいいと思ってやってたのとはちょっと違うんだけど。
絶対笑わないクールな(暗い)奴としてしか存在できなかった、と言う方が正しい。 絶対笑わないクールな(暗い)奴としてしか存在できなかった、と言う方が正しい。 絶対笑わないクールな(暗い)奴としてしか存在できなかった、と言う方が正しい。 絶対笑わないクールな(暗い)奴としてしか存在できなかった、と言う方が正しい。 絶対笑わないクールな(暗い)奴としてしか存在できなかった、と言う方が正しい。





自分がやっていたかっこいい行動は思いつかないが、
数年前まで俺は自分が超カッコイイ数世紀に一度の魔性のナイスガイだと勘違いしてた。

そのせいか極度に人目を気にするようになり、
街の人たちが常に俺の噂をしていると思い込むようになった。
すれ違う人の会話は常に俺と関係していると思い込むようになり、
そのうち部屋の中にいても誰かが家の前を通る度に噂されていると思い込み、
俺の私生活が全て監視されていると思い込むに至った。

そして俺は見えない監視者に怯えるようになり、
学校にもいかず家に閉じこもるようになった。
カーテンは締め切りドアには鍵を掛けた。
食事のとき以外は部屋からでないようになった。

それからしばらくすると不思議なことに、部屋の中にいると監視者の声が聞こえるようになった。
監視者の声は子供のときもあり、女であるときもあり、親子のとき、恋人のとき、おっさんのときもあった。
監視者の声は日に日にハッキリと回数も多くなった。

ついには俺が何か行動する度に監視者の声を聞くようになった。
俺の行動、一挙一動漏らさず監視者からのコメントがつくので気が狂いそうになった。

俺は監視者の正体を探るようになり、
2ちゃんねるの某スレで名推理『犯人は下の階の住人だ!』を披露した。

返ってきた反応は「集団ストーカー被害者スレに行って下さい!」という住人たちの悲痛な叫びだった。
天然の電波たちのあつまるスレになぜ被害者の俺が行かなければならないのか理解できなかった。

俺は最後の手段に出た。
下の階の住人に直接、直談判をしにいったのだ。

結果はおまいらの予想通り。
俺は半年間、親の強い勧めで心療内科に通うことになった。

最近になって、ようやく正常な精神を取り戻し学校に復帰した。
笑えないがノンフィクションだ。
posted by tuto at 16:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

中島みゆき

ひまわり“SUNWARD”                  

あの遠くはりめぐらせた 妙な柵のそこかしこから
今日も銃声は鳴り響く 夜明け前から
目を覚まされた鳥たちが 燃え立つように舞い上がる
その音に驚かされて 赤ん坊が泣く

 たとえ どんな名前で呼ばれるときも
 花は香り続けるだろう
 たとえ どんな名前の人の庭でも
 花は香り続けるだろう

私の中の父の血と 私の中の母の血と
どちらか選ばせるように 柵は伸びてゆく

 たとえ どんな名前で呼ばれるときも
 花は香り続けるだろう
 たとえ どんな名前の人の庭でも
 花は香り続けるだろう

あのひまわりに訊きにゆけ あのひまわりに訊きにゆけ
どこにでも降り注ぎうるものはないかと
だれにでも降り注ぐ愛はないかと

 たとえ どんな名前で呼ばれるときも
 花は香り続けるだろう
 たとえ どんな名前の人の庭でも
 花は香り続けるだろう

 たとえ どんな名前で呼ばれるときも
 花は香り続けるだろう
 たとえ どんな名前の人の庭でも
 花は香り続けるだろう



化粧                 

化粧なんて どうでもいいと 思ってきたけれど
せめて今夜だけでも きれいになりたい
今夜あたしは あんたに 逢いにゆくから
最後の最後に 逢いにゆくから

あたしが出した 手紙の束を返してよ
誰かと二人で 読むのはやめてよ
放り出された昔を 胸に抱えたら
見慣れた夜道を 走って帰る

 流れるな 涙 心でとまれ
 流れるな 涙 バスが出るまで

 バカだね バカだね バカだね あたし
 愛してほしいと 思ってたなんて
 バカだね バカだね バカのくせに あぁ
 愛してもらえるつもりでいたなんて

化粧なんて どうでもいいと 思ってきたけれど
今夜 死んでもいいから きれいになりたい
こんなことならあいつを捨てなきゃよかったと
最後の最後に あんたに思われたい

 流れるな 涙 心でとまれ
 流れるな 涙 バスが出るまで

 流れるな 涙 心でとまれ
 流れるな 涙 バスが出るまで

 バカだね バカだね バカだね あたし
 愛してほしいと 思ってたなんて
 バカだね バカだね バカのくせに あぁ
 愛してもらえるつもりでいたなんて 




糸                  

なぜ めぐり逢うのかを 私たちは なにも知らない
いつ めぐり逢うのかを 私たちは いつも知らない

 どこにいたの 生きてきたの
 遠い空の下 ふたつの物語

縦の糸はあなた 横の糸は私
織りなす布は いつか誰かを 暖めうるかもしれない


なぜ 生きてゆくのかを 迷った日の跡のささくれ
夢追いかけ走って ころんだ日の跡のささくれ

 こんな糸が なんになるの
 心許なくて ふるえてた風の中

縦の糸はあなた 横の糸は私
織りなす布は いつか誰かの 傷をかばうかもしれない

縦の糸はあなた 横の糸は私
逢うべき糸に 出逢えることを

人は 仕合わせと呼びます
posted by tuto at 16:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

 

 国家に忠誠 叫ぶ僕 国民年金 滞納中
 企業の倒産 喜ぶ僕は 就職活動 不戦敗
 イラク人質 叩いた僕は 自分で自分を 監禁中
 マスコミ嫌いな 僕の口癖 新聞ネタも 俺調べ
 日本の伝統 褒めてる僕に 今では来ない 年賀状
 韓国けなす 僕の自慢は 日本国籍 保有それだけ 
 親戚うざいと 言ってる僕は 未だに要求 お年玉
 市民活動 嫌いな僕は ネットで 思想の言論活動
 日本の過去を 賛美する僕 自分の現在 ほぼ終わり
 弱肉強食 説いてる僕は 何をやっても いつも負け
 個人主義とか 叫ぶ僕 一人で出来る ことは自慰だけ
 女をくさす 僕に今まで まともに彼女 いたことなし
 板の自治 好きな僕 生徒会とか 町内会は 参加せず
 左翼を叩く 僕にとっては 社会の助け もっとも必要
 集団主義を 説いてる僕は 体育の時間じゃ いつもカス
 主婦を攻撃 している僕は 家事手伝わない パラサイト
 高卒けなす 僕の年収 納税額 彼らに比べて 低すぎる
 ボランティア 見下す僕と 付き合うことは ボランティア
 他人に説教 している僕は 自動車教習 一回怒られ 不登校
 靖国神社 参拝する僕 クリスマス 元旦 空白スケジュール
 ネットじゃ強気で 威張る僕 面接とかでは いつもオドオド
 同人女が 嫌いな僕は ネットでブログで チャットも大好き
 暴走族とは 違う僕 働きもせず ネットで日の丸 振り回し
 公務員 リストラしろと 要求する僕 親が相談 それは保健所
 氏ねとか言ってる 僕には聞こえる 家族みんなの 同じ台詞が
 田舎が嫌いと 言う僕は うわさ話や 足を引っ張る ことが大好き
 少年犯罪 厳罰要求 している僕は ウィニーやって ゲームコピー
 女子高生の 援助交際 むかつく僕は エロゲー内で 幼女をレイプ
 銀行員の 給料下げろと 言ってる僕は 借りたものとか 返してない
 電車のケータイ にらむ僕 老人いても 席を譲らず ずっと寝たふり
 障害者 嫌いな僕は 人生の 障害物走 いきなりこけて 以来そのまま
 日本の技術 誇りにする僕 単純作業の バイトですらも まともにできず



・個性と非常識を履違えない
・体は清潔に
・衣服も清潔に
・当然部屋もキレイに
・車もキレイに、そして飾らない
・週末は2chとスポーツと規則正しい生活
・遊びの下らないメールを出したりしない
・金があるなら最先端の便利で環境にクリーンな生活を送る
・いかなる場合でも女に媚びたマネをしない
・常に自分の流儀を持つが、時と場合を考える
・安物買いの銭失いをしない
・何かあった時、なるべく自分を客観的に見つめる
・不必要な行動や発言は避けるように努めるが、コミュニケーション不足と履違えない
・流行を無視しろとは言わないが、あまり追い過ぎて自分を見失わない
・寛容にするのと何でも許すのは意味が違う
・人前で弛んだ表情をしない
・自分の能力を過大評価しないが、過小評価もしない
・人の話は聞く事。話の腰を折ったり、挙げ足をとる等の子供っぽい事をしない
・タバコを吸うなら自宅や喫煙所のみで吸う
・食生活はしっかりする。場合によってはジャンク等で済ます事も良い
・多くの人に理解されないだろうと思う趣味でも引け目を感じず堂々とする
・クセやアクが全て悪いと思い込まない
・良い物を観たり聴いたりする
・自分に正直に、他人にも正直に
・さっきPCのパワー落としたのに、5分後に気になってまたPC立ち上げたりしない
・本当のヨーグルトはブルガリアだけ
・髪の毛にジェルを付け、整える
・眉毛を抜いたり切ったりして整える
・見える鼻毛を切る
・ヒゲは2日に1回適当に抜いて、残りは毎日剃る(つるつる美肌)
・タバコは完全にやめる(臭いよ)
・爪は2日に1回切ってやすりでつるつるにしておく
・朝晩はハンドクリームを塗る
・香水は微香のやつをハンカチに1プッシュ、それを首と手首に1回だけあてがう
・車の中を掃除する(除菌・消臭)
・車に可愛い小物とか芳香剤を飾る
・ワイシャツは1日2度替える
・ネクタイは地味目でも毎日替える
・ソックスはカラー物で1日2回替える
・挨拶を毎日する
・語尾をはっきりと発音する
・財布は2つ折の、地味でノーブランドだけどセンスいいやつにする
・缶コーヒーは飲まない(緑茶か紅茶)
・ご飯は1膳
・野菜はモリモリ
・丼モノは食べない
・ジャンクフードも食べない
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プレマリン プロベラ パキシル スルピリド セルベックスカプセル ミグシス マイスリー サイレース デパス

これらの薬物は今はというと、軽井沢ではなく、佐久市や小諸市にかけての千曲川の河川敷が産地になっているようだ
posted by tuto at 16:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

あーっあああーっあーっ

廊下に出てふと辺りを見回す。
横たわる無数の亡骸、真っ赤に染まった壁と床、飛び散った肉片。
どれも一つとして無傷の物はない。
ある物は所々の箇所が欠如しており、またある物は人間だったかどうか分からない異形のクリーチャーにすら見えた。
ピクリとも動かないそれに中島はイラついていた。
―――動かないと面白くないだろ・・・。
っどごぉどごぉどごぉ!
八つ当たりに足元に転がっていた死体に2,3発撃ち込んだ。
吹き飛ぶ肉片と内臓。しかしさっきまで泣き喚きながら逃げ回っていた大衆を撃ち殺すような快感を得ることは出来なかった。
その時外からスピーカー越しに何かが聞こえてきた。
耳障りなノイズに紛れて聞こえる声は俺に降伏を促すような内容だった。
ここまでやったんだ。
捕まればワイドショーのいいネタにされ、死刑は逃れられないだろう。
外は完全に包囲されてるようだ。
玄関から出ようが裏口から出ようが逃げ切れる自信はない。
ならば殺すまでだ。
この校舎にはすでに俺以外に呼吸してる奴はいない。
もう楽しむことも出来ない。
しかし外に行けばそこは天国だ。
上手く行けばこの町内、市内、県内、そして国内すら制圧できるかもしれない。

―――よし、外に出よう。
近くに転がっている死体を踏みにじりながら俺は昇降口へ向かった。
足跡は真っ赤だった。
昇降口まで血のあとが引きずったように続いている。
そして昇降口前の角を曲がった時、そこには虫の息で這いずっている生徒がいた。
よく見ると右足はなくなっており、頭部も脳みそが露出しかけていた。
その姿は血と埃にまみれ、非常に見苦しいものだった。
―――全部殺したつもりだったのにな・・・・
俺はそいつの左足を踏みつけた・
「ああああああ!な、なかじ・・・ま!!!」
そいつは激痛と憎悪に満ちた顔でこっちを見てきた。
「け・・け、警察がきたんだ・・こ、こんどここそお、終わ、りだだ・・い、い、いまのうちに」
どごぉ!
そいつの頭は無数のパーツに分解された。
まだ喋ってる途中だったが黙らせてしまった。
―――どうせ自殺しろとでも言いたかったんだろうがな・・・。
その時ふとデザートイーグルに違和感を感じた。
ブローバックしたまま元通りに戻ろうとしない・・・・。
―――弾切れだ。
鞄の中に飛び道具は残っていない。
ここまでランボー気取りでいた俺も流石に危機感を感じた。
日本の警察といえども銃を持っている。
気づけば半泣き同然の顔になっていた。
必死に鞄の奥を漁ってみる。
その時忘れかけていた最終兵器を見つけることが出来た。
―――神は俺の味方のようだ・・・。
昇降口を出るとそこには十数台のパトカーが並んでいた。
流石にその光景には動揺しかけたが、警官の装備を見て少し和らいだ。
―――奴ら、拳銃しか持ってないみたいだ。
アメリカとかじゃよくショットガンやらサブマシンガンの使っているのに
日本じゃこの様か。税金使うところ間違ってるんじゃねえのか?
俺の姿を確認した
「そこの少年、直ちに武器を捨てて地面に伏せなさい!」
耳障りなノイズと共に・・・・いや、こいつの声も耳障りだった。
奴らは拳銃を構えている。
しかしロクに訓練もしてないやつ等の銃弾は明後日の方向にしか飛ばせないだろう。
俺は鞄から例の最終兵器を取り出した。
―――手製手榴弾2個だ。
両方のピンを同時に抜きそれぞれパトカーの密集している方向に力いっぱいブン投げた。
警官たちの慌てふためく様子はさきほど校内で行っていた宴と同様の期待感があった。
「手榴弾だ!」
「伏せろー!」
「野次馬を非難させろ!」
そして二つ同時に爆発した。
辺り一面は煙で何も見えなくなった。
煙幕の向こうからは人々の悲鳴、肉の飛び散る音、パトカーの破壊音等などが聞こえた。
―――今の音を録音してCDに出せばミリオンセラーだろう!。
ふと一番手前のパトカーに目をやる。
バンパーの上に拳銃を握り締めた右手が乗っかっている。
俺は一目散にそれに向かって駆けつけた。
「―――はッ! 夢、か――?」
 そう、今までの出来事は全て夢だったのだ。
「どうしたんだ、中島」
 磯野が心配そうに問いかける。そうだ、現実の磯野はこんなにも心強い仲間じゃないか。
「よく休んでおけよ。なんてったって、明日は――

 地球侵略を目論む悪逆宇宙人暗黒大魔王との決戦だからな!」

 俺たちの戦いは始まったばかりだ!
目的地に着くなり素早くパトカーの陰に隠れ、バンパーに乗っかった警官の右手から拳銃を奪う。
回転式拳銃ニューナンブ・・・・先ほど使っていたデザートイーグルに比べれば赤子でも使いこなせるような代物だ。
正直その殺傷能力に不満を覚えたが贅沢は言ってられない。
それに撃たれた人間の演出に違いはあるものの殺せることに変わりはない。
―――それじゃあ保安官の腕前見せていただくか!
パトカーから飛び出るとそこには右腕の持ち主の姿があった。
右腕を押さえ苦痛に歪んだ顔をしてうずくまっている。
「お、俺の右手が、あ、あ、あ!!!」
パン!
頭に一発撃ち込んだ。
何も言わずに息絶えてしまった。
煙の向こうから2人の警官が走ってくるのが見えた。
パンパン!
一人は頭に命中し即死。
もう一人は左肩に当たったようだ。
「だ、だ誰だああ撃ったのは!」
パン!
続けてもう一発。
次は喉に命中したようだ。
「ゴボゴボ・・・・ガハァ・・・ハァハァ・・・ガフ!」
今度こそ息の根を止めたようだ。
奴らの銃を拾い上げる。
ここまでに4発も使ってしまった。さっき拾った分も含めれば残り12発。
この煙ではあと何人の警官がいるのかも分からない(ほとんどの警官はさっきの爆発で肉塊になっただろうけどな・・・)
足元に用心しながら進む。
どいつもこいつもやはりさっきの爆発で死んでしまったようだ。
俺はあまりの呆気なさに落胆した。
と、その時だった。
パァン!
―――俺は撃ってないぞ!?
頬を一発の銃弾がかすめた。
煙の向こうからだ。
とっさにパトカーの陰に身を潜める。
耳を済ませると革靴のコツコツという走る足音が聞こえる。
一人だけ。
奴は動いている。
しかし場所までは特定できない。
パン!
その時、再び銃声が聞こえた。
今度はパトカーのフロントガラスにひびが入った。
俺の居場所に奴は気づいている。
次第に危機感を感じ始めた。
―――このままじゃ一方的に撃たれるだけだ・・・。
先ほど銃声のした方向に向かって一つ目のニューナンブを使い切ることにした。
パンパン!
これで一つ目は空になった。
どうやら命中しなかったようだ。
再び耳を済ませる・・・・
パン!
奴の銃声が聞こえた瞬間だったかその直前、右胸に激痛が走った。
―――俺が・・・撃たれた・・・・?
―――奴ら・・・ロクに射撃の練習もしてないヘタレおまわりのはず・・・。
ふと今まで殺した奴らのことが脳裏に浮かんだ。
どいつもこいつも俺をボロ雑巾のように扱い、貶し、否定してきた奴だ。
そんな奴らは死んで当然だ。
何故俺が死ななければならない?
そんなのはおかしい!
絶対におかしい!
この学校を変えるべきだ!
この国を変えるべきだ!
この世界を変えるべきだ!
この星を変えるべきだ!
この宇宙を帰るべきだ!
今こそそんな世の中を変えるべきだ!
俺はニューナンブ二兆持ちで1時から12時の方向へと撃ちまくった
サングラスを掛けた、灰色のスーツの男が目の前に現れた。
歳はおそらく、四十歳くらい。あれだけの爆発と銃撃があったのに
スーツは全く汚れていない。顔もいたって平静、無表情だ。
「アンダーソン君…」
いや、俺アンダーソンじゃないから。
銃を咄嗟に構え、頭を狙って二発撃ち込む。
しかし、俺が予想した通りの展開にはならなかった。
男はいつの間にか俺の眼前に迫っていた。距離は数メートルは離れていたはずだ。
ドスン!
腹に強い衝撃を感じ、俺は空に舞った。どさりと地面に落ちると、血を吐いた。
男はうずくまる俺を見て立ち尽くしていた。依然、男の顔は無表情だ。
「君は強い…」
男が感心したようにその一言を漏らす。その隙に俺は握り締めていた銃を
男に向け、三発撃った。
その瞬間、男の上半身が三つに増えた。まるでケルベロスだ。
そして次の瞬間に男の上半身は一つに戻り、俺に向かって歩いてきた。
「―――だが無駄だ」
俺はそのとき悟った。こいつは弾丸を避けているのだ。
と。灰色の男の後ろに、またひとり誰かが立っているのが見えた。
学生服を羽織った長身の男のようだ。なにかを構えている。
マシンガンだ。
ぱらららららららららら
学生服の存在に気づかなかった男は頭を吹き飛ばされた。
地面にどお、と倒れると男に電流のようなものが走り、ごく普通の警官の姿となった。
俺は素早く身を起こすと、銃を構えて学生服に言った。
「何者だ」
学生服は素っ気無く、こう言い放った。
「桐山…」
しかし俺は桐山の後ろに誰かが立っているのを見つけた。
桐山など比較にならない、外国人の大男だ。
黒いライダース・ジャケットに、ショットガンをぶら下げている。
そしてごついサングラス。やれやれ、またサングラスか。
桐山が大男の存在に気づき、後ろを向くと咄嗟にマシンガンを構えた。
チャンス。俺は銃を構え、桐山の後頭部に狙いをつける。
ばあん!
桐山の頭が木っ端微塵に吹き飛んだ。しかし、俺の銃撃ではない。
大男のショットガンだった。
「地獄で会おうぜベイビー…」
大男はそう呟くと、俺の目を見据え、ショットガンを構えた。
やられる――――。
そう思ったとき、一人の黄色と黒のトラックスーツを着た男が後ろにいるのを見つけた。
独特のステップを踏みながら鼻をこすり、男に近づいている。
「ほあああああああああッ! ほあッ! ほあちゃー!」
トラックスーツの男は大男を蹴り飛ばした。
――――強い。
瞬時に理解する。この男は体術を限界にまで極めた人間凶器なのだ、と。
銃器のような派手さには欠ける。
しかしその鍛え上げられた肉体から繰り出される突きや蹴りは、
一撃必殺の威力を秘め大男を貫いていく。
「……ショットガンで武装した大男が、まるで――」
サンドバッグのよう。
そう呟く頃には大男は地に伏せていた。
「……フゥゥゥゥゥーッ」
大きく息を吐く、トラックスーツの男。

……今度こそ、やられる。

死を覚悟した、その瞬間。
「ダーリン、なにしてるっちゃ!」
虎縞ビキニに身を包んだ半裸の女が、トラックスーツの男に詰め寄ってきた。
パンパンパンパン・・・パンパンパンパン・・・パンパンパンパン!
すべての弾を撃ちつくした・・・。
もう武器は残っていない。
探せば他の警官の死体から手に入るのだが今ここで下手の動けば奴に見つかる恐れがある。
俺はさきほどやけくそに乱射した事を悔やんだ。
―――カッとなったからってあん無計画な事・・・情けねぇ・・・
「・・・・・・・・・・!」

意識が薄れてきた・・・・。
出血量が増えてきた気がする。
動けば射殺、このまま止まれば出血多量で死亡。
どっちにしろ嫌な死に方だ。
そんな不謹慎な考え事をしている最中、煙が消え始めてきた。
もはや野次馬の騒ぐ声もしない。
奴らのいた場所には流れ弾と爆風を食らった奴らの亡骸しか残っていない。
警官ももはや誰も動こうとはしない。
どいつもこいつも巡査部長に昇進した奴でいっぱいだ。
あいつ一人を除いては・・・

その時だった
「うっ、うぐ、う、うああ・・・・!!!!」
―――あいつだ!
俺の右胸に銃弾をくださったお巡りさんだ!
奴は腹部に弾を食らったらしく、痛みに耐えようと必死の様子だ。
俺は右胸の苦痛に耐えながら意識もうろうとしつつ、奴にフラフラと歩み寄った・・・。
「あ、おお俺のぶ、部下をを!こ・・ころし、ころしてや、やる!」
バキィ!!
顔面に蹴りを入れてやった。
その警官は面白いくらいに吹き飛んでくれた。
―――そんな事知ったこっちゃねえ!
右胸の痛みが続いてる間はコイツに対する怒りで頭がイッパイだった。
バキッドコッグキッ!
ひたすら蹴り続ける俺。
次第に弱っていく警官。
そして・・・・奴はついに息絶えた。
蹴り続けること約10分。
マトモな状態で残ってる骨の方が少ないくらいにバキバキに骨折し腹部からは腸が飛び出している。
目は白目をむき、口からは血の混じった泡を吹いている。
さすがに疲れてきた・・・俺自身の体力も危い。
もう蹴るのはやめだ。
そう思い奴の持っていたニューナンブで止めを刺すことにした。
銃口を奴の顔面に向ける。よだれを垂らし、泡を吹き、白目をむいたこの顔は写真コンテストのオカルト部門に入賞しそうな出来栄えだ。
「・・・死ぬ前に言うことは?」
「・・・・ぁぅ・・・ぁ、ぁ・・・・ぁ・・・・ぁぅ・・・・・・・。」
「ファッ●ユー・・・」
パァン!
案の定、一発で楽にしてやった。
もうこの学校周辺に生きてる人間は俺一人だろう。
これで全てが終わった・・・
と、そこで舞台が暗転!
いまをときめくお笑い芸人、長州小力がステージでパラパラを踊りだし、
会場は大盛り上がり!
中島もほかの観客達と同じように手を振り上げ叫ぶ!
―――さて、家に帰ろうか・・・・胸の傷は帰りながら考えよう。
家路に向かってフラフラと歩きかけたその時だった。
バラバラバラバラ・・・・・
―――なんだ!ヘリか!?
それは警察のヘリだった。
目出し帽を被った複数の警官がロープで降下してくる。
どいつもこいつも防弾チョッキにMP5と重装備だ。
―――だったら最初からこいつらを出動させとけよ!
そう考えている余裕はなかった。
警告もなくMP5を乱射・・・・いや正確に射撃してくる。
もはや俺に逃げ道はない。
俺は残り2発となったニューナンブを一番手前の警官に向かって撃ち尽くした。
2発とも胴体に命中、つまり弾は全く効いてない!
―――このままじゃ死ぬ・・・手を上げて降伏・・・・いや、死刑!死刑だ!
全力の力を振り絞って逃げた!
後ろではMP5の発射音が聞こえる。
すでに1,2発は食らってしまった。
―――足が・・・・痛い・・・・胸も・・・・苦しい!
なんとか道路に出ることが出来たがそこには道を封鎖する軍用トラックの姿が見えた。
M16を発砲してくる軍人達
―――俺は夢を見ているのか・・・・
瞬く間に蜂の巣にされてしまった。
頭、喉、胸、腕、指、腹、腰、尻、股間、太股、脹脛、足首に激痛が走る。
前に倒れこむ俺。
生涯最後に見た光景・・・・それは大量の戦車がこっちに向かって来ているという現実ではありえない光景だった。
WASTED!!

「あーあー、死んじゃったよケンちゃん。やっぱヘタクソだね。」
「うっせーなぁ!大体警察が強すぎるんだよ!」
でもここまで警官殺せたのは凄いね。特に手榴弾使った時とか!」
「ああ、パトカーも爆発したからな。あれでかなりの数殺せたし」
ここはごく普通の家のごく普通の少年の部屋。
彼らは今話題の「グランドセフトオート」をして盛り上がっていた。
「あー、もう6時か。今日はそろそろ帰るわ。」
「じゃあまた明日なケンちゃん!」
「おう、じゃあな!」

かったるそうに友人の家から出てきたちょっと不良っぽい少年「ケンちゃん」。
薄暗くなった住宅地に電灯がつきはじめていた。
ケンちゃんはふと思い出したように財布の中身を見た。
残金1250円也。
「あーーーーこれじゃあテイルズオブステトラジー買えねーよー!!」
現実的な独り言を呟きながら家に向かっていたその時だった。
そこに気弱そうな少年がフラフラと歩いてきた。
学校で教師によるうさ晴らしとも思える叱責でこんな時間まで残らされたのだろうか。相当イラついてる様子だ。
「お、中島くぅーん、いい所で会ったね!実はさ、ボク今財布がすんげーピンチなんだ!マジで!だからさここは人助けすると思って・・・・・」
最初は馴れ馴れしく接していたケンちゃんも次第に本心を見せ始めた。
「いいから持ち金全部出せよ中島!てめぇは生きてるだけで迷惑かけてるんだからこういう所で奉仕活動しやがれっての!!」
ゴッ!
中島の右頬にケンちゃんの右ストレートがヒットした。
倒れる中島。ここぞとばかりに中島の財布から金を奪い取るケンちゃん・
「うんうん、1万あれば上等だよ中島君♪」
そう言い残しケンちゃんはご機嫌にその場から去っていった。
ムクリと起き上がる中島。
彼は何か決心したかのように暗闇へと消えていった・・・・。
「――何故だ?」
誰にともなく、問う。
答えはない。
「――何時だ? 何処で、だ?」
問う。答えは、ない。
そもそも声には出ていない問いだったのかもしれない。
答えてくれる人間などいない問いだったのかもしれない。
それでも、
「何故だ? 何時だ? 何処でだ?」
問わずにはいられなかった。

――狂ってしまった、その理由を。

なぜ、狂ってしまったのだろう?
いつ、狂ってしまったのだろう?
どこで、狂ってしまったのだろう――?
もう声は出ない。目だって見えない。嗅覚は麻痺し、
答えを聞くための聴覚だってイカれちまっている。
ただただ暗闇の中を走っているような感覚だけで、
その感覚さえあやふやになりつつある今――この瞬間に。
この、瞬間に、到達してしまった分岐点は。
どこに、あったのだろう――、と。
気がつくと俺は泣いていた。
見えない目で泣き、聞こえない耳で泣き声を聞いて、
失ったはずの良心を痛めて、存在しない間違いを求めた。

――間違いなんて、最初からだ。
それは、俺が生まれた瞬間。
万に一つ、生まれた瞬間が間違いではなかったとしても、
俺が育った環境が間違っていた。
俺の精神が間違っていた。
俺の入った学校が間違っていた。
俺の知り合った人が間違っていた。
俺が重火器に手を出した瞬間に、狂ってしまうほどに間違っていた。

――中島ァ、キャッチボールやろうぜ

磯野の顔が浮かぶ。
個人的に、狂うに足る理由が欲しかった。
それが唯一無二の親友、磯野を殺すことだった。
だけど、違った。
俺は生まれた瞬間から、ずっと――何時狂っても可笑しくない人間だった。
狂う自己を正当化するためだけに磯野を殺した。
磯野家の長男、カツオを殺した。

――まだ、やるかい?

花山さん(薫)も殺した。
不動産屋ではなく、ヤクザの息子をも殺した。
世界が終わってしまえばいいと思って、みんなを殺した。
でも、一番最初に殺したかったのは――

「――俺だ」

俺は、間違いだらけの俺を殺してしまいたかったんだ。
「密室殺人だー!」
「言わなくてもわかるわい、アホ」
「状況確認をしてください」
「被害者は20代男。死因は後頭部の挫傷。凶器はおそらくバールのようなもの」
「俺は独身喪男。彼は俺の上司。被害者は見ず知らずの他人」
「そんなことまで確認せんでいいわい、アホ」
「で、問題はこの部屋ですよね」
「四方床天井を鉄筋コンクリートで固められた平屋。
 窓は無く、唯一の出入り口は合金製の扉のみ。しかも内側から溶接されていて、外からは絶対に開かない」
「さて、ここで問題だ」
「俺らはどうやってこの部屋に入ったんだ?」
海へ行きたいわけじゃなかった。
とにかく外に出たかった。別にあてがあったわけじゃないけど、とにかく外に出たかった。
いざ家の外に出てみたら、そこはもう僕の世界じゃなくて、無性に怖かった。
息の続く限り、脇目もふらずに走り続けて、辿り着いたのがココだった。
誰もいない、砂浜。遙か向こうの、水平線。
真っ平らな砂浜に僕の足跡が刻まれていくのは、なかなかに気分が良かった。
街の中を駆けているときは、他人の世界のど真ん中をぶち抜いてる気がして、無性に怖かった。
だけど、ここは誰の世界でもない。不可侵領域だ。
そんな、気がした。
叫ぶ。
叫ぶ。
息の続く限り、叫ぶ。
思いの外大音量だった自分の声に僕は少なからず驚いたが、その驚きは心地よかった。
新鮮な衝撃。
全てが僕の管理下にある僕の世界では決して味わうことのできない、衝撃。
その衝撃を口から排出しながら、ふと前を見ると、そこに奇妙なものが落ちていた。
いや、流れ着いていた、というべきだろうか。
「落ちて」という表現を使うには、それはあまりにも大きすぎた。
それは、どうやら棺桶らしかった。
まるで中からドラキュラでも出てきそうな、古びた、それでいて豪奢な、棺桶。
中身の有無にかかわらず、相当重たいだろう。こんなものが沈まずに流れ着くなんて、波にも意外とパワーがあるらしい。
しかし、何故だろう。
僕は首をひねらずにはいられなかった。
何故って、その棺桶には僕の名前が刻まれていたからだ。
はっきりと。見間違えようも無いくらいに堂々と。
どうしたもんだろうな、これは。どういうリアクションをとればいいんだろうか。
とりあえず開けてみる?やだなぁ、怖いなぁ。中を覗いたら僕が死んでいました!とかありそうだなぁ。やだなぁ。怖いなぁ。
でも体は素直なもので、やっぱり開けずにはいられなかった。
「んっ…」
思ってた以上に、重い。蓋のクセして生意気だ。
なんとかかんとか開けてみると、中には薄汚れた紙片が一枚入っているだけだった。
拍子抜けだ。
しかし、その紙片には何かが書いてあった。
手に取ってみる。
 朝。
 千鶴さんの朝。
 俺はそれを目の当たりにして、毎朝、泣いた。
 千鶴さんの亡骸を抱えて、柏木の家に戻って、一週間が経過した。
 もう告別式も終わったが、いまだに通夜のような日々が続いている………

 が。その朝は、違った。
 「な、なんだ、なんだ、こりゃ!?」
 俺と梓は、むちゃくちゃになった台所を見て、あぜんとしていた。
 「どうしたの………あっ……」
 後から入ってきた初音ちゃんも、入ってきて手を口に当てた。
 「ど、どうなってんだ、こりゃ?」
 梓が、ごくり、と息をのんで、そう言った。
 「まさか………ヤツが生きていた?」
 「よせよ……縁起でもない。」
 梓が、無理に否定するように言った。
 「でも、耕一お兄ちゃん、ぐっすり寝てたんでしょ?」
 初音ちゃんが、妙に冷静に言った。
 「ん?、あ、まあね。」
 「もし、みんなに気付かないように、家に入ってきて、台所だけ荒らして逃げていく………なんて、考えられるのかなぁ?」
 「うーん、それもそうだな…………」
 俺たちは、全員で腕を組んで考え込んでしまった。
 「物取りの犯行にしては、他に手がつけられた様子もないし………」
 「冷蔵庫の中身も無事だし………」
 「あの………」
 と、か細い声が、俺たちにかけられた。
 楓ちゃんだ。
 「あれ? 楓ちゃん? なに?」
 「その、梓姉さん……こんな光景、前に見ませんでした?」
 「前に?」
 そう言われて、梓が額に手を当てて、考え込む。
 「あ! 思い出した!」
 「えっ? いつの話だ!?」
 俺は驚いて、梓を問いただした。すると梓は笑った。
 「おい! 笑ってる場合かよ!」
 「あ、ごめんごめん。だって、その、以前むちゃくちゃになったときって………」
 「あ!」
 初音ちゃんも気がついたように、ぷっと吹き出した。
 「は、初音ちゃんまで!」
 「だからさ、耕一。それってのは、ほら、千鶴姉がかたづけしたときのことだよ。」
 「なんだ。」
 俺はがっくりとうなだれた。
 「わ、悪い、耕一。」
 「ちょ、ちょっと不謹慎だったね。」
 2人が謝るが、俺はうなだれたまま。
 「こ、耕一、すまん。ゆるしてくれ………」
 梓が、心配して顔をよせる。
 俺は一言、ぼそりと言った。
 「……え? なんだって?」
 「だから、千鶴さんの幽霊だったりして………」
 俺は、両手を前でだらりと下げた、典型的な「うらめしや」スタイルで、そう言って顔を上げた。
 「ぷっ、」
 「あはははははは。」
 俺たちは笑いあい…………
 「ったく、てめーがいちばん不謹慎じゃねーかっ!」
 と、梓のセリフとともに、3人に袋叩きにされた俺が無惨に転がっていた。
「ほあーッ?」
トラックスーツが疑問符を浮かべるのが見て取れた。
「ダーリン、いい加減ウチに帰るっちゃ!」
しかし、トラックスーツは虎縞ビキニの訴えには応じなかった。
ボッ!
と、空気の壁を打ち抜く音にすら先んじ、トラックスーツの正拳突きが虎縞の顔を翳める。
「……ウチをなぐった?」
刹那、虎縞が切なげな表情を浮かべ――
「ダーリンのバカぁぁぁぁぁぁぁっ!」
絶叫。
同時、青白い光があたりを包む。
これは――高電圧の発するプラズマ状熱エネルギー、云わば落雷と同じ現象だ。
空気中の水分さえも蒸発させ、あたりには蒸気が満ちる。
なにも、見えない。
視界が――確保、出来ないーッ!?
この状況で視界を奪われることはとてつもなく危険だ。
身構えることすら無意味。
しかし、蒸気が晴れる頃には、全てが杞憂だと悟った。
未だ放電を続ける虎縞と、その足元に倒れた炭化したトラックスーツ。
虎縞は俺に興味を持っておらず、トラックスーツは無力化された。
俺に出来ること――それはこの場を逃げることだけだ。
そう、一瞬でも早く、一秒でも速く、一ミリでも遠く――
と。
我が感覚を疑う。
右腕の、感覚がない。
なぜ?
空を掻いたはずの右腕には抵抗すら感じない。
右腕を、見る――
しかしその行為は無為だった。

右腕がないのだ。

肩口からキレイに切り落とされている。
「う……うわあああああああああああああ!!!!!!」
絶叫。溢れ出る血を、少しでも押し留めようと左手で押さえるも、無意味。
血は止め処なく噴出し、俺の意識もまた薄れていく。

「……また、つまらぬものを斬ってしまった」

消える直前の意識。
俺はその意識の端で、風に揺らぐ袴姿の男を認識した。




終わり
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2005年11月19日

君はいったいどんな人なんだろう

最近開かれた、ある採用セミナーでの出来事だ。深センの病院の理事長が自ら来場し、
面接試験にちょっとひねった問題を出題した。われこそは、と応募してきた120人の修士と
300人の学士たちは、誰もうまく答えられなかった。

2問の問題は共に、短い物語から出題された。

まず1問目は「亀と兎がまた長距離競技をすることにしました。勝ったら賞金なんと100万元。
法律に違反しないことを前提に、亀はどうすれば再び兎に勝つことができるでしょう」

2問目は「あるところに8歳の男の子がいました。何も悪いことをしていないのに、
毎日継母にぶたれたり、罵られたりします。やはり法律に違反しないことを前提に、
どうすれば継母の折檻から逃れられるでしょう」

最初こそ油紙に火がついたようだった応募者たちも、この問題には言葉を失った。

幾人かはちょっと黙り込んで智恵を絞ったあげくに、さまざまな答えをひねり出した。
「亀はトレーニングに励むべきです。志あるところに道は開ける」
「出場を辞退するよう、兎を説得したらどうでしょう」「男の子は近所の交番に行くべきです」などなど。
理事長の楊玉山は、どの答えにも満足できなかった。

楊理事長いわく、出題意図は、応募者がリーダーシップを握ったり、様々な角度からものを考えたり、
活発に思考を展開できるかをみるためだという。では、模範解答はどうなるのか?
楊理事長は「ちょっと今は答えられません」。
当日充分に実力を発揮できなかった応募者のために、楊理事長は自分のメールアドレスを教えた。
応募者に1カ月の猶予を与え「ゆっくり考えて頭をすっきりさせてから、改めて答える」ためだそうだ。
posted by tuto at 22:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

プロローグ


「中島ぁーっ!こんな問題も解けないのかぁーっ?お前は本当に駄目な奴だなぁーっ」
 ――ちっ。直ぐこれだ。
「そんな事では、将来駄目だぞぉーっ」
 ――事あるごとに俺を馬鹿にしやがって……。
「全くぅーっ、早く問題を解けよぉーっ」
 ――なんで俺にばっかり当てるんだ……?
「ほら、さっささっさとやらんかぁーっ!」
 ――だから、そこは昨日やったところだろ?俺休んでたって。
「いい加減にしないと、先生怒っちゃうぞぉーっ」
 ――黙れ。お前がいい加減にしろ。
「おいーっ!中島!先生を馬鹿にするのも大概にせえよぉーっ!」
 ――いや、いくら優しい俺でもキレるヨ?

「中島ー、オメェ邪魔なんだよ」
「そうだぜ、退けよっ!」
 ――押すなよ。俺がお前らに何をした?
「ってゆーかさー、金くれないー?最近金欠でさー」
「そうよー、中島チャン、金出しなー?」
 ――は?淫売が、黙れよ。
「あいつって、キモイよねぇーっ」
「ウンウン!ずっと見てたら吐くかも〜」
 ――むう。何処がどうキモイのか説明してもらわんと直しようが無いな。

 ――っていうか、俺、何もしてねえのに何でこんなに煙たがられているんだ?
 ――自分で言うのもなんだが、外見も最低と言うわけじゃない……はずだ。
 ――結局、ここの連中"も"チキン揃いで、誰かを標的にしないとやってけ無いってとこか?
(ふ〜ん……)
 ――じゃあ俺も、誰かを標的にして良いわけだ、ここでは。……ふむ。
(オウケイ。このゲーム、乗った! 俺は我慢し続けたし、それなりの覚悟はしてもらおうっ♪)
本編
一 あはは、調子乗りが♪

 ――翌日。俺、『中島和郎(なかじまかずろう)』は、家から親父の合法火器やその他の道具諸々を持ってきた。全部鞄の中に積め込んである。
 入ってる物を適当に挙げるとすると……カッターナイフやドライバー、リボルバー拳銃やウィンチェスターライフル、ショットガンにマシンピストルなどなど。補助鞄にも入れてきたから、よっぽど沢山あるな。ふふ。
「ま、最初の内は適当な道具で楽しむとするかっ!」

 校門を通り校庭に入ると、いきなりサッカーボールが飛んできた。超高速回転しており、避ける間も無く中島の頭に命中する。空中を半回転し、彼はその場に倒れ込んだ。
「……ぐ!」
 くそっくそっ、くそっ。何で校庭に入っただけで……!
「あーごっめぇ〜んねぇ〜っ!なっかじまぁぁあぁ〜っ」
 ボールが飛んできた方向から声がした。サッカー部員のものだ。わざとらしすぎる弁明。
(……わざとやってるのは分かってるんだ!調子乗るな!!)
 ごく自然に右手が動いた。補助鞄から小型の石弓を取り出す。その名の通り、石を飛ばすボウガンのような物だ。近くにあった握りこぶし大の石を拾い上げ、石弓にセットする。ボールを取るため走ってきたサッカー部員に向けた。驚いた顔が見え――
「な、何だそ」
 かちっ、ばひゅぅんっ! ばがちゅっ!!
「がきご!」
 サッカー部員は勢い良くひっくり返った。石弓がその強い発射能力で、彼の顎を見事に叩き割ったのだ。そのサッカー部員は地面で転げ回る。
「ひぎっ、ひぎぃっ!! ひっひっ、ひぎっ!!」
「君、豚?まあ、前からやることは豚並だと思っていたけどね!」
 横向きに倒れて苦しむ彼に、中島は蹴りを入れた。丁度眼球をつま先で突き刺すように。
「ひゅぶびゅっ」
 目玉が眼孔の中に完全に陥没し、空洞になったそこから血が流れ出した。とろとろと。動かなくなった。死んだかどうかは知らんが、まあ気絶にしろ片目が使えなくなったね、ご愁傷。

「どうしたーっ、高岡ーっ?」
 離れたところから別のサッカー部員が問い掛ける。その高岡クンって、片目がただの変な液を出す空洞になってしまった哀れなこの男の子かい?
「あいつも、死ぬべきだなぁ」
 笑みを抑える事は出来なかった。石弓を補助鞄に戻し、サッカーボールを拾い上げ部員の方へ向かう。近付くにつれ、彼の顔がいらついた表情へ変わっていくのが分かった。
「……んぁ?中島?キショイし。誰がオメエなんかにボール持って来いって頼んだよ?」
「あは♪ まあ、持ってきてあげたんだから、礼ぐらい言っておー!」
「あぁ!?調子こいてんとぶっ殺すぞ?」
(え?ぶっ殺す?ぷぷ、今の僕にそんなこと言ったら♪)
 一瞬の内にドライバーを抜き、顎下から突き刺した。ぷびゅっ、と汚らしい音がする。
「いっ!?」
 開いた口の中に、血みどろになりつつも金属の輝きを見せるドライバーの一部が確認できた。「聖なるドライバーに使用された金属は永遠の輝き」ってか、バディー?
 即座に抜き、でこへ突き立てる。少々の抵抗があったが、無視して押し込んだ。ドライバーが角みたいに生えた男の目が見開かれた。
「いでゅっ?いぎら!」
 また抜き、右頬から左頬へ貫通するように思いっきり突き刺した。さらに抜いて、もう一突き。顔中穴だらけにされたサッカー部員は、最後に「しりゅぷりゅ?」と意味不明の言葉を喋ってから地面に倒れた。直ぐに血だまりが出来る。グラウンドの土を湿らせた。
「へえ、君、面白い言葉を喋るんだ。お生まれのお国は何処ッすか?」
 実際、ドライバーが言語中枢を破壊したということは分かっていたのだが、中島はそう言って死者に皮肉を言う方が楽しかった。
 右手を斜めに振り、ドライバーから適当に血を払う。臭いが付くのは嫌だったし。

校舎内に入るが、誰も二人のサッカー部員の様子に気付いた者は居ない様だった。愚かな奴らだ。
「狩りを、始めようか」
 廊下を歩きながら呟いた。すると、たまたま横を通った女子生徒が
「キショ、何が狩りよ」
 もう、俺に何も恐れるものは無い。中島は軽く跳躍をして、通り過ぎた女子生徒の方へ向いた。ウィンチェスターライフルを抜き放ちカッコ良く一発目のライフル弾を装填した。グリップ近くの特殊な部品を前後に動かすだけで装弾は終わった事になる。
全くもってイカした銃だぜ、ベイベ!
 女子生徒が「がちゃきっ」という音に反応して、振り返ろうとした。何も言わずに発砲。
「ああああっ!?」
 左脇にライフル弾がめり込み、右脇から貫けた。血がびゅっ、と噴き出す。
「死ねよ、しつこいな」
 空薬莢を排出し、もう一発。次は左側頭部から入り、右側頭部に貫けた。近くの壁と窓に脳漿と血液がべっちゃりと付く。倒れた。目は完璧に開いていた。面白い顔!今直ぐにコメディ映画のオーディションに行ってきなさい!!
「くっさいなあー、もう」
 操作をして、もう一発、二発、三発。胴体にしこたま撃ち込み、弾が切れてやっと中島は射撃を止めた。死体の幾つかの穴からは硝煙が上がり、周りの床は飛び散った血と肉片や変な液でぐちゃぐちゃになっている。
「他の奴が気付く前に、死体を移動しとこう!」
 見る影も無い女子生徒の遺体を引きずり、適当に掃除用具入れに押し込んだ。扉の下の隙間からどす黒い血が流れていたが、関係無いと思った。この学校の奴らは低レベルの知能しか持ってないから、大丈夫だと思った。だから床や壁の血も拭かなかった。
「あはは、調子乗りが♪」
 この復讐は始まったばかりだ。いや? 復讐でもないか。理由も無く俺を罵ったのが悪いんだ。しかも一年間ずっと。前に注意した時に止めとけば、こんな事にはならなかったのにね。馬鹿どもが。チ●●以下だな
さっき女子生徒をぶっ殺した周辺で数人が騒いでいたが、誰も床壁に付いた物を人の脳味噌とは思わなかったらしい。馬鹿野郎の集まりだが、狩りをするには丁度良い。 ハッピーハッピーハッピッピ♪ 生きてーるって、素晴らしい♪
(ん。小便がしたくなったな)
 よし、敢えて不良らがたまってるトイレへ行こう!

 校舎二階の汚いトイレ。外から見たままで、中は煙草やヤクをやってるような不良でごった返している所だ。
「さてと、ションベンすっか」
 普通に中に入り、小便器の前に立つと、背後に数人の気配を感じた。
「オイ。オメー、ナカジマか。ここに来るとは良い度胸だな!」
「ケケク、そうだぜ。僕たちにお金を持ってきてくれたんだね!」
 ――好き勝手に言ってくれるな。数人でたむろしないと生きていけないハゲどもが。
「サ。さっさと金を出して出て行きな!もち、便器は使っちゃ駄目だからね!」
「うふふっ、さ、お金頂戴!」
 中島が振り返った。
「ファッ●ュー」
 言いながら右手に持ったリボルバー拳銃を一番近くに居た不良の股間に押し付けた。
「え」
 どぅんっ!!
 撃発音と同時に、その不良の股間が消え去った。勢い良く出血する。そいつはそこを押さえて、泣きながら汚い床に倒れ伏した。
「なっ、エルドーニュ!」
「エルド!」
 他の不良が驚きを露わに、チンコが無くなった男の名前を叫んだ。
「はは。エルドーニュって何処の国の名前だお?オメーラは小学生以下だな!」
 中島は笑いながら言うと、最も出口に近かった男に銃口を向けた。反応する前に撃つ。どうん、という音の反響が終わる頃には、撃たれた男は何も見えてない瞳を床に向けて座りこんでいた。
「あーっ、サルバトゥーレ!!」
「やめろっ、ナカジマ!」
「助けてくれっ!お願いします!」
 ――あははっ。調子乗るとこうなるよ!
 リズミカルに三連射した。一人は鼻の下辺りに被弾、頭が殆ど爆発し、もう一人は右胸と腰に当たり、床でもがく。残り一人は弾丸を食らわなかった事に感謝したように、涙を流しながらトイレの出口へと走った。
 中島はいたって冷静に、補助鞄から書道で使用する『すずり』を取り出した。スイング投げする。乾いた墨で鈍く光を反射しているすずりは、ゆったりとした放物線を描いて、しかし、凄まじいスピードで飛び、逃げようとした男の頭に命中した。
「がぼっ」
 それ以外は何も言わず、彼は前のめりに倒れ込んだ。多分、気絶だろう。残念だ。
「さて……」
 中島は、自分の一メートルほど前でもがく男に目を向けた。傷口を押さえ、うめきながら床を這いずっている。中島は微妙に哀れむような表情になり、
「えっと……君、苦しいのは分かるけどね。そんなに逃げようとしても結局、まだ十センチぐらいしか進んでないよ?」
「ひーーっ!ひーーっ!ぐぇぅ!ひーーっ!ひっ!ひーっ!」
「無視っすか、そうですか」
 中島はまだ謝ろうともしない(と言うか出来ないのだが)男に、苛立ちを覚えた。
「じゃあ、死ねばいいんだおー」
 ふざけた調子で言い放ち、鞄から拳銃の弾を取り出した。リボルバーを操作し、薬莢を捨てる。床に広がった血液を反射しながら、それは金属音を鳴らしながら血の池を転がった。
 ゆっくりと六個の穴が開いた蓮根状のシリンダーに一発ずつ弾を詰めていく。
「うっうっうっうっ、うひっ、うっ」
 装填完了。まだしぶとく床を這いずろうとしている男に、中島は容赦無く発砲した。二発とも、男の頭を撃ち抜く。変な肉片が残った。
「オ〜、カワイソウデスネ〜♪ レッツ・ロック!!!」
 ニコニコと笑い、リボルバーを仕舞おうとすると。
「死ねナカジマアああアぁァアァアあアアァ!!」
 さっきすずりで気絶した男が、ナイフを振りかざして向かってき――
 どうんっ、どうんどぅん!
 中島が適当に撃った拳銃弾が、男の右頬と左胸と股間を吹き飛ばした。殆ど血煙になって消失する。勿論、彼は即死し、その場にくずおれた。
「え、どうしたの?」
 わざとらしく中島が笑った。
 トイレの中は、何度掃除しても取れないであろう赤黒い汚れと鉄分の混じった最悪な臭いで満たされていた。
トイレを出て、教室に向かい歩き出す。やっぱりこの学校の連中は糞だった。誰一人としてトイレで何人分かの肉の塊が蝿にたかられているという事に気付いていない。
「皆、阿呆だから死んでも良いよねっ」
 中島は晴れやかに笑った。

 教室の後ろのドアを開けて中に入る。どうやら昨日中島をいじめた教師の科目、数学の途中らしい。教師は気付くと、中島に声を張り上げた。
「こらぁーっ!遅刻かぁーっ!?理由を説明せんかぁーっ!」
「キショッ」
 それだけ言って、席につく。一番窓際の、真ん中ら辺だ。鞄を机の横のフックに適当に引っ掛けた。
「大人をなめるのも大概にせえよぉーっ!?」
 ――また同じようなこと言ってやがる。キショイ。折角の生存のチャンスを自ら消し去ろうとしてるのに気付いてないんだな……。
 教卓を叩きながら、はげかけた数学教師は殆ど意味不明の言語を叫ぶ。それに乗じた生きる価値の無い生徒が中島を馬鹿にした。
「ナカジマァ、調子乗んなって。テメェ、キショイし」
「死ねよ、バカ」
「どっかで●●ってろ、う●ち野郎」
 ――あははっ。この教室の中に居る奴、全員処刑。
 中には悪口を言わない奴も居たが、関係無い。どうせ、影で言ってるに違いないのだ。言ってなくても、俺に助けてくれそうも無い。死ねば良い。
五分間、クラスのほぼ全員から悪口を言われ続け、物も投げられたが、とりあえず、それを楽しんだ。この生意気なクソガキどもの勝手な行動は今日で最後なのだ。っていうか、生命活動も最後なのだが。
「このぉーっ!なにか答えんかぁーっ!!」
 にわかに教師がキレ、チョーク投げの姿勢に入った。中島はそれを見ると
「あはははっ、正当防衛!正当防衛!」
 と言いつつ、鞄からイングラムマシンピストルを抜き出した。チョークが飛ぶ前に、横薙ぎに撃つ。教師の背後にあった黒板に線を引くように穴が開き、破片が散った。
そして、その線上にあった教師の胸から上の部分に数個の穴がしばばっ、と開き、またその奥の黒板に線の残りが引かれた。
「がかっ、どとぉっる!」
 胸や首に全六発ほどの拳銃弾を食らい、教師は回転して倒れ込んだ。床にどんどん血が広がる。びくびくと痙攣した。
「キモッ」
 中島はイングラムを置き、右手で鞄から小型のオリジナル火炎瓶を二つ取り出した。両方とも導火線に当たる部分にライターで火をつけた。
「キャーーーー!」
「なッ、中島っ」
「何何何何ーっ!??」
「先生に穴が開いてるーっ!!」
 クラス内の殆ど全員が恐怖の叫び声を上げ始めると同時に、中島は火炎瓶二本をそれぞれ前後の扉に投げつけた。
 ぼわふっ、ぼぅぉんっ!
 爆発、炎上。怒号と悲鳴が交錯する。
「あははっ、これで君たちは、逃げられな〜い」
 中島はサディスティックに笑うと、マシンピストルを持ちなおした。
ぱららららららららららっ!
ずぶばすばちゅどちゅぶちゃぐちゅ!
 銃声と同時に肉の弾ける音が教室内に響く。そこかしこに細かい肉片や血液が飛び散った。
「あああああああ」
「ママーッ! マァマァーッ!!」
「脇腹が無いよぉ」
「あーっ、あーーーっ!?」
「助けて助け……ごぁぃっ!!」
「おはな〜おはなが〜」
 数秒、銃声が鳴り響いた後には、教室に居た半分の生徒が被弾し、苦しみ悶えていた。弾が当たらなかった者も、大声で叫び教室中を逃げ回っている。
「皆、面白いよー! 演技が上手、演技が上手☆」
 中島はイングラムのマガジンを換えながら言った。
「ん?」
 ふと教室後部に目を向けると、一人の男子生徒が燃え盛るドアに突進するところだった。どうやら、火がついてるあそこから逃げる気らしい。馬鹿め。
「わあああああああ――」
 思いっきり助走をつけて突進。
「――あああああああああ――」
 扉にぶつかる。軽い爆発のような物が起きた。
「――あがっ、ヒッ」
 一瞬で炎が燃え移り、男子生徒は教室の中へ転がり戻ってきた。扉が熱で変形していて、火がついてる限りはそう簡単に壊せないのだろう。
「ひっひっひひっひーっひーっだだ誰か助けてくれても良いじゃなのか助けてくれててて誰かたけてだ」
 燃えながら教室を走り回る。皆がそれを避ける。助けるという気は誰にも無いようだ。さすがクソクラス。
「ひぎぇっ、ひりっ。ひりっ!」
 くくく、どうやら頭に火が回ってイカれてきてるらしい。面白い動きを始めた。
「ダダ助けっ……げほごぼッ……あっ、あっ、こ、ここ琴引、まん、前から好きだたよ俺を助けれ」
 ――完璧にイカれた♪
 中島が銃も撃たず見学する前で、燃えながらその男子生徒は琴引という女子生徒の方へ走っていく。琴弾が逃げる。
「嫌あ!いやあああああっ!」
「ことこと琴引。個け琴弾く? まま待てくれよ頼む。おねがだにげなでくれ!おっおごオレ助けくれれ」
 男子生徒(すでに完全に火で包まれ、おそらく本体は真っ黒焦げだろう)が琴引に抱き付いた。すがりついたと言うべきか。
「まてくれことひきたすてくれおねがつきあてらせてたすけくれたののの。の!」
「きゃ、ああああああああ熱い熱いっ熱い尾っ!」
 ぼわん、と音がし、琴引と男子生徒の間でまたも軽い爆発が起きた。琴引に炎が燃え移る。イカれたように走る彼女。最後の爆発で仰向けに倒れ、そのまま右手の人差し指で天井を指したまま動かなくなり、強烈な臭いを発生させる男子生徒。
「マジ最強に面白い!」
 中島は今まで自分を馬鹿にしてきた人間の間抜けな死を見、歓声を上げた。ふと前を見ると、まだ琴引が燃えながら他の生徒に助けを求めている。
「うゆゆゅ、ユゅカ、助け火ひっひっ消し熱つつつマジ助かて、熱い熱熱熱いアモエタクナっ」
 直ぐに全員彼女から離れる。すると不意に彼女の胸のあたりからしゅぼ、という音がした。次の瞬間――
 ばぁぁんっ!!
「あらいっ!!」
 彼女の左胸が内側から大爆発し、肉片を飛び散らせた。琴引は後ろに吹っ飛ばされ、机の上に綺麗に転がった。天井へ向けて傷口から勢い良くぴゅーぴゅーと血が噴き出ている。
「きゃー、なに!?」
「うっうううっ、ゲエエッ!!」
「何で爆発したんだ!?」
「あー、何か飛んできて胸に刺さったーっ!! 痛いーっ!」
 中島も驚いていた。何で爆発したんだろう? そんな彼の目の前に、何かの燃えカスが落ちてきた。拾い上げそこに書いてある文字を読んでみる。
「む。……何とかラントヘアスプレー。火器厳禁。ねえ……。整髪料か」
 制服の内ポケットに入れてた小型のヘアスプレー缶が爆発したのだろう。全く、ダセエ人生の終わり方だ。
 ――馬鹿な奴にはお似合いの死に方だ。
 少し視線を横にずらすと、さっきまで火がついていた男子生徒の遺体は、すでに自然消火され黒焦げの肉となっているだけだった。
「クセッ。まあ、いいか」
 中島はいまだに何とか生き残ろうと考えを模索している馬鹿なお子様どもに目を向けた。
「中島もう止めてくれ!」
 イングラムのマガジンを詰め直すと同時に、一人の男子生徒が叫んだ。
「?」
 見ると、クラスでも人気がある『唯野島正一郎』がいた。一つの位置に固まった十数人の生徒をかばうように立ち、その顔からは滝のように汗が流れている。
「お願いだ。もう止めてくれ。そもそも、何で無差別に殺すんだよ!?」
「ふむ」
 バタッ。――からんからんっ……。
 中島は頷き、イングラムを一発撃った。弾丸が一瞬の内に唯野島のでこを貫いた。倒れる。
「キャー!」
「唯野島!」
「正一郎オォォオォ!」
「人殺しい!」
 中島は笑って、泣き叫ぶ彼らに銃口を向けた。すると――
「ま待てくれおねがだもみな殺さなでくれ頼む中じマ」
「――なっ……!」
 でこに銃弾を受けながらも奇跡的に生きていた唯野島が訴えた。倒れたまま、殆ど瞬きをせずに。でこからどんどん出てくる血を拭こうともせずに。手足を小刻みに痙攣させて。
 自然に、中島の目に涙が溜まった。
 彼は、クラスの皆を心配している。

 自分が死にそうなのに。

 そういえば、俺はこいつに悪口を言われた事が無い。

 昔、一回だったけど、止めに入ってきてくれた事もある。

 それ以降止めてくれなかったのは、俺の向上心の無さが原因だったのかもしれない。

 俺は――こんなに性格の良い奴を撃ってしまったのか。

 こんなに、自分より先に人の事を思って、命を張って行動できる奴を。

 俺は――俺は――何て事を――――!!

バラッ、という音がして唯野島の頭が吹き飛んだ。周りにシェイクされ霧状になった肉片や脳漿、血液が飛び散る。
「今更俺にどんな事言っても無理だおー?」
 上顎から上がぐちゃぐちゃになった元・唯野島の胴体に向けてもう二発撃つ。ぼびゅ、と肉が弾けた。
「あ……あ、あ……!!」
 唯野島の直ぐそばに居た女子生徒が異状をきたしたかのように震え出した。次に、言った。
「あ……、あああ……ナ、ナカジマ君……、さ、さっきの涙の意味はっ? 私たちは助けてくれるんだよねっ? ……だ、だって、た、た唯野島君が説得してくれたもん、も、ももん。そそれに感動して、涙を流し――」
「は? 俺はただ唯野島の痙攣と演技臭い動きが面白かっただけだおー。すなわち、笑い涙だお! お前、何考えてるの? アーユークレイジー?」
 中島は微笑しながら言った。その女子生徒は「ひっ」と声を上げる。銃口が光った。弾丸二発が喉に食い込む。女子生徒は「ひゅっ」とくぐもった声を出してくずおれた。
「ひーっ、ひゅう、ひゅっ、ひゅうっ!」
 仰向けの状態で喉を両手で押さえて、足をばたつかせる。
 バララッ!
 きっかり一秒後、正確な射撃で見事な程に頭を吹き飛ばした。また周りの生徒がウザく騒ぐ。
「キャアアアアーー!」
「ヒッ、ひどい!あんまりだ!」
「ママパパママパパーー!」
「ファック」
 一番はじめに目に付いた三人組を掃射して撃ち倒した。左右の二人は殆ど即死だったが、真ん中に居た男子生徒が腹部を押さえて座り込む。
「あ、あぁぁぁあぁ……あー、あぁー、ああぁ(映画バトルロワイアルの国信の首輪爆弾作動風)」
「どうしたのー?どっか痛いのー?」
 座り込んだ男子生徒『田中ヤスヒデ』が傷口を思いっきり押し付け泣き出した。どくどくと血が流れ、床に水溜りを作っていく。失血ショックで死ななかったのが面白いところだった。
「痛いーっ……痛いヨォ。お腹の後ろに大きな穴が開いてるのは幻覚だよね?ゲ、げんか」
「幻覚のはず無いやん。何言ってんの。」
「あひ、あひ。嫌だ。お腹に穴が開くなんて。しかもお腹の後ろにもっと大きな穴が開くなんて!ヤダ!やっ、やがらっ……」
「はい意味不明だね。オモシロイ!オサムちゃん!」
 中島が茶化し、軽く蹴る。
「ひっひぎっ。お、オサムぢゃないっヤスヒデデ。ぎ! あが……ヴぅぁ……ぎ、い、嫌だ、ぐひっ、ぐが、光が……ああぁぁあ……嫌だ、消えないでくれ……光……消え……」
 バララララララララララッ! グチャリッ、んばちゅばちゅ!
 前触れも無く、ヤスヒデの肺と心臓がミンチになった。何故か周りに屁のような臭いが充満する。
「早く死ねよ!!前置きが長い!」
 中島はこめかみに青筋を立てながら弾が切れたイングラムを捨てた。
「さあて、残りの君たちはどうしようかっ?」
 中島が鞄の中から色々と物騒な物を出しながら訊いた。残り数人の生徒たちの殆どは怯え、泣きじゃくっている。
「ヨシ。じゃあ、さっき俺に向かって「どっかで●●ってろ、うんち野郎」って言った『磯野』、出てこい!」
「ヒッ!」
 皆の後ろの方に隠れるように屈んでいた磯野が上ずった声を出した。だが、出てくる気配は無い。
「……早く出て来いって言ってるだろーッ!!」
「ヒッ、ヒグッ!!」
 まだ出てこない。周りの生徒が磯野を避けるようにその場から退いた。泣きそうな顔をして、磯野が耐えきれずに叫んだ。
「だぁれぇか!たすけてよ!だれかあ!た、ったすっけてよ!!」
「い、磯野、お前が悪口言ったからいけないんだ!俺は言ってないから殺されない!」
「わわ私もよ!」
「ボ、ボクモー」
 他の生徒が自分だけ助かろうと言い訳をする。磯野が暫く信じられないような顔をして――その後大泣きを始めた。鼻水垂れ流しまくりである。汚らしい。
「うわーん、うわーん!たーすーけーてーよー!!」
「黙れ!下痢糞野郎」
 それまで黙って見ていた中島が耐えられなくなって、鞄から出した小道具の中から一つの物を取った。ポンプ・アクション式のショットガンだった。
 ――お楽しみだった銃だぜ!
「マジでお願いだ助けてよっ!!」
「シャーラップ・フ●ッキングガイ」
 じゃきっ、どかんっ!
 磯野の右腕が肩の付け根から千切れ飛んだ。
「ああああああ」
 狂人の叫びを上げ、磯野が転げ回った。足をガタガタとばたつかせて唾と鼻水を撒き散らしながら悪態をつく。
「あああナカジマ俺の腕無くしやがって殺す殺すコロあああぁあぁぁぁぁあああ」
「え?何言ってるの?アーユークレイジー?」
「ああああ〜!」
 次の瞬間には、磯野が走り出していた。よく見ると、手にはカッターナイフを握り締めている。もう、危ないなあ。そんなんだからこの国の大人は子供の事を差別的に見るんだお!
 しゅきっ、どかっ! ぢゃきっ、どかん!
 連続でショットガンの撃発音がし、磯野が後ろへ吹き飛ばされた。身体を勢いよく横へ回転させながら、まだ死体が倒れ伏している机に突っ込む。磯野と死体と机とが絡み合うようにして盛大に倒れた。
「ぎはっ、ぎはっ!!」
 磯野が殆ど瀕死の状態でうめく。何とか立ち上がろうとした彼の左脇腹と右大腿部の肉が大きくそぎ取られていた。残りの生徒がキャーキャーと騒ぐ。磯野がその場に尻餅をつくと同時に、中島は笑った。
「あはははっ♪ しぶとい生命力だけど根性無いねえ。死ねよ」
 じゃきぃっ!――赤い12ゲージショットシェルが排出される――すちゃっ。――ショットガンの銃口が、ぴったりと磯野を捉える――かこっ、かっ、こらっころっ、からからからっ。――ショットシェルが床で小気味良い音を立てる――
「ダ〜イ、●んち野郎」
「やめ」
 どかがあああぁんっ……!
 ショットガンの銃声が大きく反響する。シェルを突き破り飛び出した九つの鉄球が、高速で坂谷へと向かい飛翔。
「づっ」
 ばちゃっ、と水っぽいキモい音がして、坂谷の生命活動が停止した。散弾は、彼の胸部を完全に破壊していた。
「ふふっ。次は誰にしようかな?」
 中島はショットガンに弾を詰め直すと、残り三人になった生徒に言った。
「うう、うっ、やめて」
「ひいっ、ひっひぐっ」
「テイルズ最新作やりたかったヨぉ・・・」
 最後の三人という事で、確認する。面白いしな。……右から、男子『田中晃弘』、女子『裸勉駄祥子』、男子『山本イショウ』だった。
まずは田中だ。
「あ、あひっ!それを向けないで!」
「黙れ●●コ」
「だってて、僕、悪口なんか一回も言ってないよー!!」
「は?お前が影で俺の事馬鹿にしてるのは知ってるし」
「そっ――そんな事無い!やってないよ!」
「『やってない』……? 『やってない』じゃなくて『言ってない』なんじゃないか?アーユークレイジー?」
「うううそんなのどーでもいーたすけてー」
「とりあえず死ねば?」
 あっという間に散弾が田中の首の右半分を吹き飛ばした。「ごびゅ」とだけ意味不明な言葉を喋って彼は動かなくなった。
「ふふ、次はお前だ」
 笑いながら山本に銃を向ける。
「やめてーっ、やめてよーっ」
「え? 何で? 俺にはやめる意味が無いんだよ!」
 山本は「うひ」と小さくうめき、ポケットから何かを取り出した。
「? 何をする気だ?」
「お、お金あげるから助けて。き、今日発売の『テイルズオブストラテジー』を買うために持ってきた一万円だよ! そ、それに僕の大好きなテイルズシリーズ全部あげるから、た、助けてよ!」
「ふむ」
 中島が山本から金を取り上げ、代わりに携帯電話を差し出した。山本が泣きそうな目で怪訝そうに見る。
「え、何……?」
「これでゲームショップ『ディック!ゲーマー』に電話を掛けろ。そして、そのテイルズとやらの在庫があるか訊くんだ。値段もな。俺の電話番号を汚さないように礼儀正しく訊けよ」
「ひっ、う、うん! それで助けてくれるんだねっ!?」
「ちゃんとした態度を取ったらな(くく、この程度の馬鹿なら面白い訊き方が期待できるぞ)」
「わわ、わかった、約束守ってよお願いだよ約束!」
「ちゃんとしろよ」
 中島は銃を降ろし、机に軽く腰掛けた。鞄から『チンタオビール』を取り出し、拳銃で王冠を瓶の注ぎ口ごと吹き飛ばして、思いっきり呷(あお)る。
 ちょうど山本がゲーム店に電話を掛けたところだった。
 ――どのくらい面白いかな?
 中島が期待して見守ってると――
『(……カチャッ)もしもし、毎度どうもー、ディック!ゲーマー栗野支店ですー』
「あっ、あぁっ、も、もしもしっ、や山本ですけどー、そっちの店、店にー、て、テイルズオブブ、ストラテジーのゲームがありりますかー?」
『は? 何言ってるんすか? 意味わかんないッすよ?』
「あーあー、だーかーらー……」
 がちゅ、ばりん!
 いきなりチンタオビールの瓶で頭をしたたか殴られ、山本は面白いほど一瞬で気を失った。一瞬白目をむき、直後には瞼を閉じて床に倒れ込む。床に散らばっていた色々な物の破片で顔の皮がずるりと剥けた。
「低レベル野郎が……何だよその訊き方。「テイルズオブブ、ストラテジーのゲームありりますかー?」って、テイルズオブストラテジーっていうジャンルじゃねーんだからよ。……そもそも名前言う必要がどこにある? カスが!」
 すうすうと息を立てて眠る(まあ気絶なのだが)山本を見てると、中島にいきなり殺意が沸いてきた。殆ど反射的に片手で持っていたショットガンを驚く女子生徒――裸勉駄――の方へ向け、これまた反射的にトリガーを絞った。
 どがちゅ、と音が鳴っただけで、裸勉駄は殆ど無反応のままくずおれた。山本の直ぐそばに体が横たわり、半分方吹き飛ばされた頭から飛び散った脳漿が、山本の血でぬらぬらと光る髪の毛に沢山張り付いた。
「うわ、キショ」
 中島が露骨に嫌そうな顔をして、裸勉駄の頭の名残を思いっきり踏み潰した。また脳漿が飛び散った。そしてまた、先程に似た屁のような臭いが充満した。
「臭。 ……今のねえ、男だけがわかるディライトってやつなんだ」
 意味不明な事を言ってみたりする。視線を下に落とした。山本がまだ気絶している。
 ――早く起きろよ、この糞野郎。
 まだ寝ている。起きる気配は無い。むかついてきた。
 ――はい、無視ですか、そうですか。なら……
 チンタオビールの割れた瓶を、思いっきり頭に突き刺した。
「あひ、ファラ!」
山本の体がビクン、と跳ねた。その後、数秒の間を置き――奇妙な痙攣を始めた。勿論、頭にはビール瓶が刺さったままである。その口からはバグった音声プログラムのようにデジタル音に似た声が流れる。ひどいノイズよりも耳障りに聞こえた。
「ママ僕電話がんばたた・・・・えええ偉いから助かるよ僕・・・だ、だい、いじょぶだから・・テルズ好きでで、でもマニアじゃなな・・・・」
「あーあ、マジでクレイジったな。死んだほうがマシ」
 中島は無造作に刺さったビール瓶を掴むと、左右に捻り回した。山本がまたもびくびくと跳ねる。四肢の動きが先程よりもずっと活発になる。完璧に死ぬ前触れに見える。
「ひゅっ、ひゅっ、ボクエライコノクラスミナオレガイチバエラシテル駄駄駄だ駄駄駄駄だ」
 最後に瓶を右方向に何度も捻りまくって、引き抜いた。取り出した瓶の先に血にまみれた灰色の塊の一部が引きずり出されてきた。山本の右目が眼孔の中へ少し陥没し、びゅっと血が飛び出る。
「へぎっ、へぶぶねね猫耳みみみみみみみみみみみみみみみみみみ――でゅ!!!」
 動かなくなった。中島が瓶を思いっきり引っ張り出すと、勢いよく出血した。断続的に飛び出す。
「うっぷ。さすがにキモイし!」
 ショットガンを取り出し、手早く頭を吹き飛ばす。散弾のエネルギーにより頭が血煙になって殆ど消滅した。
「さようなら皆さん。どうぞ黄泉の国への旅路をお楽しみ下さい!」
 道具をしまいながら、中島が呟くように言った。とりあえず復讐は終わった。楽しかったなあ。
「……ぅぅ……」
「!?」
 小さくうめく声がして、中島は身構えた。
 ――まだ生き残りがっ!?
 ばっと振り返ると、そこには数学教師が倒れていた。半分開いていた目が恐怖で全開する。
「ああああ、ったったっ、――たっ、ひぐ、助け!!」
「まだ死んでなかったのか」
 ――あんなに胴体に弾丸を受けといて死なないとは良い度胸だ。とどめを刺してやろう。
 数学教師が何とか這いずって逃げようとする中、中島はゆっくりと鞄から古い短剣を取り出した。
「チンクエデア。ルネッサンス期のイタリアの大富豪、ボルジア家が世に広めた短剣だ。これでとどめを刺してやるから感謝しろ」
「ひぃぐ、や、やめ……」
 チンクエデアの刃が教師の喉を裂いた。血が勢いよく飛び出す。
「ヒュッ!!」
「あははっ。おもしろーい!!」
 頚動脈を切ったのかどうかは分からないが、ともかく出血の勢いが強い。教師の顔に冷や汗がどんどん浮かんでくる。
「ぎ!ヒュッ、ヒュッ……な、なんで……」
 教師が喉を押さえもしないで(多分、前の銃弾によって腕の機能が停止したのだろう)言った。血がごぼっ、とこぼれた。
「……なな、何で……こんな事を……ヒュッヒューッ。……罪のない生徒をこんな……」
 ――ハア?
 中島が眉を吊り上げた。こめかみに青筋が立つ。
「……罪が、無い、だって?」
 あまりの怒りに、声がまともに出ない。教師が口からごぼごぼと血の泡を吐きながら続けた。
「ヒュ…そそうだ。お前がやってる、のは、ただの無意味な、虐さ――つッ!!!」
 ヂャグッ、と中島のチンクエデアが教師の顔面を真っ二つに割った。顔が左右二つに分かれ、ずれる。
「ヒュ……ヒュ……」
 傷口は多分脳にまで達している。しかし中島は、あと数秒で死ぬだろうという彼の首にチンクエデアをあてがった。
「ファッキュー」
 ぢゅぴゅりゅっ、じゅぱしゃっ!
 思いっきり肉を切ると、今切れたらしい頚動脈から新たな血液が噴き出した。教師が最後に「ひっびゅるっ」と叫んで動かなくなる。
「このファッ●野郎が!●ァック!サノ●ビッチ!チ●コ野郎!このチ●●ス以下のイン●●●ツが!!」
 近くにあった布製の筆箱で(よく見ると田中と書いてある。布の筆箱に名前書くなよ)頭を叩きまくる。中のペンなどで何度も叩かれ、頭蓋骨が割れたような音がした。
「このっ、くそっ!クセえんだよ、ディッ●!馬鹿チンが!キタねえんだよ、調子乗りやがって!俺を馬鹿にした罰だ、近●●姦者め!マザー●ァッキングとそのついでにファザーファッ●ングもしてるんだろホモが!とっとこホモ太郎が!!」
 がつっ、がちゅちゅッ、ばりちゅちゅちゅ、ごちゃ、ぶちゅ!
 殆どミンチになった教師の頭を机でぐちゃぐちゃに押し潰すと、机を上に乗せたままショットガンで手足や胴体の肉を吹き飛ばした。最後に机を退かせて、ひき肉同然の頭をショットシェル二発分、約九ミリの弾十八発を撃ち込む。盛大に飛び散った。
「いつもいつも俺ばっかり差別しやがってこの世界の野郎は全員糞野郎で死ぬべきだから俺がその一部を潰してやったんだ感謝しろ人間以下のクズ●●カス淫売の息子!!」
 中島はやり場の無い怒りと空しさを感じながら、火が消えたドアから外へと出た。
廊下には十数人の生徒と三人の教師が居た。皆、出てきた中島を見て一歩後ずさった。
――チキン野郎が。
中島がとりあえず無視して歩き出すと、一人の教師が教室内を見て叫んだ。
「あーーーーーーーっ!!」
――散々銃声がして火事まで起きてんのに今更か?どこまで鈍感なんだか。
「待ちたまえ、中島君」
「ん?」
振り返ると、校長が立っていた。ツルッパゲの額には多量の汗が滝の如く流れている。
「き、君が・・・・・やったのかね?」
「そうです。クズとアバズレをやっただけです」
「人の命を、そ、そんな言葉で奪い取る事が出来ると・・・思ってるのかね!!」
「思ってますよ。思ってなければ、こんな事しないですよ、お偉いさん?」
「……さっきけ、警察を呼んだ。も、もう来るぞ。おとなしく捕まるんだ、わ、分かったね中島君!」
「は?お前も同類か――じゃあ……」
「え、やめ――」
 どがっ、じゃきっ!
「あがあああ」
股間と両太腿の内側の肉のなくなった校長の叫び声が廊下中に響いた。
「助けて誰かあああ」
「キャー!」
「外に逃げろーー!」
 狭い廊下を逃げ惑う(でも一人として逃げられていない)酸素の無駄使い野郎どもを、中島は微笑みながら眺めていた。
「あははっ、ファ●キュー!」
 どが、じゃき、どが、じゃきっ、どがん、じゃき、どが、じゃきっ!
「あー!」
「お腹がー!!」
「あ〜ぁぁあ〜」
「ぼきゅにょしちゃあぎょはどきょ?(僕の下顎はどこ?)」
「サトシ・・・ひどい!耳がない!」
「うわあああああーッ」
一気に三分の一の生徒が他界し、また三分の一の生徒は虫の息状態になった。
その場にいた教師は残念ながら一人も殺せなかった。調子乗りが。生き残りは殆ど全員逃げ惑っている。
しかし中島が居座っている方向にしか出口が無いのでどうしようもない状況だ。
この光景はかなり面白い。
「えっと、次は・・・」
そう言いながら、中島がウィンチェスターライフルを取り出した。装填しつつ周りを見る。
――ん?
一時の方向に倒れた男子(生きてはいるらしい)と、座ってその男子のでこを心配そうに撫でている女子生徒が居た。ここは生かして観察してみる。
「あいつ・・あいつのせいで・・・・俺はお前の彼氏として一緒にいてやれそうにも・・・・」
――ってか、こんなとこで野次馬やってるから悪いんだよ。
「そんなこと言わないで、隆太郎君!私がついてるから!」
――ププ、血まみれの教室前がデートスポットか。イカすねえ!
「腹が痛い……あ、すまない、俺、何も――」
「そんな事無い!何も出来なかったと思ってるなら、早く逃げようよ!」
――ちったぁ空気読めメス豚めが。
「わ、分かった、俺、絶対死なない。生きて友美と楽しい思いでっえ」
ばひゅんっ!
光の線が隆太郎の鼻先を飛んでいった。
「り、隆太郎君っ……!」
鼻があったはずの位置が赤黒くえぐれていた。
「フフフ、俺って射撃超上手い!」
中島が笑った。彼の放った弾丸が、隆太郎の鼻をこそぎ取ったのだ。
「あああ、り、隆太郎君!隆太郎君!」
「ひっひっ、ひぐっ、ひっひっ、ひぐぅっ!」
「隆太郎君、死なないで!死なないで!」
「ひっひひ」
ずぱしっ!!
次は光の線が隆太郎の左側頭部から斜めに入り、右後頭部から貫けて床で跳ねた。彼の頭が大きく振動し、弾丸が貫けた位置から脳と血液が弾け、床の破片と混ざって広がり始めた。友美は信じられないような顔で中島の方を見た。
「あ……あああ、あっ、ああっ……ああああああああああああ!」
次の瞬間には走り出していた。愛しの彼を奪った憎き殺人者へ向けて。
「怖い怖い」
どひゅっ、ばちゅっ!
「ああ!!」
友美はライフル弾で顔の右半分を吹き飛ばされ、その場に倒れた。
どひゅん、がちゃ、ちゃき。どひゅん、がちゃ、ちゃき。
「うあああああ!」
「たすけてええええ」
 相変わらず銃声と悲鳴がひっきりなしに聞こえる。
「今なら一発だけで殺しちゃうんだけどなー」
 中島も相変わらずウィンチェスターライフルを冷静に撃ち続ける。
 どひゅん、がちゃ、ちゃき。かちっ、かちっ。
「お」
 とうとう弾切れだ。ウィンチェスターの弾はこれ以上持ってきていない。
 ――他の道具を使うかっ
 そう思い、血にまみれた長物を投げ捨てた。
途端、左方向から男子生徒が躍り出た。雄叫びを上げながら突っ込んでくる。
「俺の彼女殺しやがってええええええ!」 
両手を振りまわしながら走ってくる男子生徒に、中島はいつもの如く冷静に拳銃を抜き、ポイントした。
「うおおおおおおお!」
「アーユークレイジー?」
 パン、パン!
 一発目が右肩の骨を完全に吹き飛ばし、二発目が腹部を撃ち抜いた。その男子生徒は横に超・高速回転し二メートルほど後ろへ吹っ飛んだ。倒れ込んでまたも二回転。呻き声をあげる。
「ぐはっ、ま・・・まだ、生きてる!」
「お、結構頑張るね!」
 中島が銃を構え直す。男子生徒は何とか立ち上がり、気合を入れ直す為か、一回叫んだ。右手は完全に動かなくなったらしく、ぶらんと垂れ下がっている。
「それじゃあ死ね!」
「お前が死ぬんだ、この糞殺人者!」
 男子生徒が跳躍し、横向きに回転した。左手が一閃され、光が中島の胸へと走った。
「うっ!?」
 小型の工作用ナイフが、中島の胸に突き立っていた。
「う…あっ!?」
「ハハ、中島のくせにチョーシこいてるからだよ、バカが!」
 男子生徒が弾かれた様に中島の方へ跳躍する。しかし――
「……」
 極限の怒りに達した中島の目が、彼を睨み付けた。眉間に無数のしわが寄り、歯軋りがする。
 中島は自分の胸からナイフを抜き、突進してきた男子生徒の腹に思いっきり刺した。「ぐぅ」と声が漏れる。そのまま一気に――
「あぎゃああああああ!!!」
 横にスライドさせ、腹の肉を裂いた。一回抜き、横の傷に直角になるように縦に裂く。十字に裂かれた腹から、すでに傷つけられた内臓器や腸が垂れ出てきた。
拳銃を彼の口に突っ込む。
「あああはがあがあがが」
躊躇無く引き金を引いた。ギュバッ、と音がして後頭部が殆ど焼失した。背後の半径一メートルほどには頭の中に入っていた物が散布される。
無能な生き物の割に大した量だったが感心はしなかった。
こいつは俺に傷をつけた。
「この野郎ドモがムッカつくなァーーっ!!一気に殺すぞオ!?こっちが優しくしてれば調子乗りやがってエェー!!?」
その時、チラっと人影が見えた。
もちろんためらいなく撃つ。
どこの誰かも分からないのに。
性別すら分からないのに。
人間の形をしていればなんでもいいのだ。
ドンッ!
「ギョバ」
当たり所が良く、首が千切れそうになる。倒れた女子の首から勢い良く血がほとばしった。
「ヒヒィ、良い死に方するじゃねえかオメエ……感じてきちまったゼ……」
もう、中島からは理性という物が消え去っていた。
「ぎああっ!?」
いつも俺だけ特別指導と体罰で苦しめていた体育教師の頭を撃ち抜いた。
それが倒れ伏す前に、そばにいた女子を間髪なく射殺した。
「……」
 かちゃっ、からからっ。
 中島が弾が切れた拳銃を捨てた。次いで、直ぐに鞄からデザートイーグルを取り出す。
こいつならどんな石頭も粉々に出来る。
「あああ、やめて!!」
「……」
 どごぁっ!
 50口径弾が、叫んだ女子生徒の頬を破壊した。空中で身体をひねるようにし、彼女は床に投げ出された。
生きていたようで、頬がざくろのように弾けた女子生徒は必死に命乞いを再開する。
「た・・・助け、なな何でこんな事するの・・たす、助け・・助けて」
「ペチャパイ」 
どご!!
二発目で頭を粉々にされた女子生徒が最後に聞いた言葉は「ペチャパイ」」でした。なかなかオメデタイ話なんじゃないかい。

「わああ!」
「走れ!絶対に止まるな!」
「……おや?」
 二人の男子生徒が中島の隙をついて横を通り抜けようとした。その時片方が中島に肩をぶつけた。
「……ぶつかったら謝ろうな」
 どがっどがぁっ!
「ひむっ!?」
「がっ、ぎぇ!」
 両方とも喉を撃たれてその場でもんどりをうつ。ばたばたと暴れる彼らを見て、中島がある歌を軽く歌い出した。
「いーいーなーいーいーなー にーんげんっていーいーな−♪」
「ヒュイ、ヒューヒュ、ヒュ、ヒュ!」
「たっ、たったったっ高志!、は、はやくに、逃げるぞ!はは、はや」
どがっどがっっ!!!
一瞬で二人とも黄泉の世界に旅立ちました、楽でしたね。亡骸は床に脳味噌を散らした汚いものになりましたが、まあ、それもご愛嬌です。
「調子乗るな、チ●●野郎が。せっかく俺が歌ったのに感想も無しか。まぁ人間以下のお前らには関係ない歌詞だけどね。
人の気配がなくなったことに気付き中島は、耳を澄まして生き残りを予測した。
どうやら教室に逃げ込んだようだ。ていうかもっと早くにその逃げ場所に気付かなかったのか。
とりあえず後ろの入り口から教室に入ってみる事にしよう。
中島は十二分に用心しながら教室に踏み入った。
―――もう工作用ナイフは御免だ。
(くくく、来い、殺人マニア)
 家庭・技術教師、『中村外耳』は掃除用具入れの中でほくそえんだ。手には超高精度のワイヤー。
(ふふふ、これで首をスパッと切断してやるぞー。やっぱ俺、こんな専門的な道具買うなんてリッチだねぇー♪)
(ん、来たか?)
教室の中に違う気配が入ってきた。
殺人中毒者独特の匂いだ。
中村の手に汗がにじむが、顔には悦楽の笑みを浮かべている。
(さあー、来い、先生リッチだけど中島の棺桶なんて買ってやらないぞー)
 中島の気配が用具入れの前まで来た。
(今だ!)
「中島ぁ、そんな頭おかしい事するなんて、先生困っちゃうよー!!」
 彼を馬鹿にするように叫びながら、中村は用具入れのドアを開け放った。
 いや。開けようとした、が正しい。
ドアは開かなかった。
「あっ、え?」
「お困りのようですが、先生」
 中島が扉の外から冷静に言った。どうやらドアは、中島に押さえ付けられ開かないようだ。中村は焦りの表情を浮かべた。
 何て事だ、あいつは俺が居るところを見切っていたのか!?入ってきた瞬間、気付いたと言うのか!?そんな、そんなの――
 どが!どがぁっ!!!
「がっ、あ、ぎゃっいっうっあっいっぎぇっいっ!?」
 中島が扉の外から撃ち込んだ弾丸は、用具入れの中で何度も跳弾となり(よっぽど良い素材を使った用具入れだな)中村の身体を何十回と引き裂いた。
「あががっ」
 用具入れの中にべちゃべちゃと次々に血痕と小さな肉片が張り付いていく。跳弾の一発が中村の顎の一部を横からこそぎ取った。
「ひぎっ、ぼあっ、おぉっ!」
 次に股間が吹き飛んだ。目が見開かれた。
「ぐぎぃっ!!ぎぎ、いぎぃっ!?」
 間を置かず、銃弾が眼鏡のレンズを貫通して右目を砕き、下寄りの右後頭部から飛び出した。
「がひぃっ!だば!!」
 最後にエネルギーが残っていた弾丸が、腰骨を砕く。
「がひら」
 その弾丸が床でさらに跳ね、中村の顎の下に直角に入った。そのまま頭部を突き抜け、貫通する。
「ごまっ」
 頭のてっぺんから脳が噴き出し、天井に付いた。身体がくずおれるに伴い、後ろの壁にもぶりぶりと付く。元・中村が力無く床に尻を付くと、開いた口からピンクっぽい何かがゆっくりと流れ出した。
「くっせえ」
 中島は嫌悪を露わにしてそう呟いきながら用具入れを開ける。一応死体を確認すべきだろう。
「……キタね」
 そこには、ピンク色の血らしき物を流す口をぽっかりと開け、両目とも阿呆みたいに上を向き(片方はほぼぶっ壊れてるが)、頭のてっぺんからでこにかけてが無くなってその場に座り込んでいる元・中村が居た。壁には頭の中に入っているはずの物がくっついている。
 ぼとりっ。
「うわ、臭っ」
 天井に付いていた脳味噌が、剥がれて下に落ちた。
中島はゴミでも見るかのような目でそれをデザートイーグルで消し飛ばした。

 中島の後ろで物音がした。振り返る。
「……誰か居るな?」
 音がした方――教壇だ――に向かって歩き出す。すると、もう一回がたっ、と音がした。伴って教壇が揺れるのが確認できた。
「誰だ? フ●ック野郎。出てこないと撃っちゃうよ?」
「ひっ」
 教壇の陰から、ゆっくりと人間が姿を見せた。男子生徒だった。
「何、自分だけ隠れて助かろうと? チョーシ乗ってるね♪」
「この……虐殺者っ!!」
「殺したって良いじゃんか。人には色々事情があるんだよ」
「お前なんか人じゃない!鬼畜だ!本当に大切な物をお前は失ってる!」
「……本当に……大切な物?」
「ああっ、そうだっ!中島、お前はちょっと嫌な事があったからって人を殺したんだろっ!?」
「…ちょっと……だと?」
「ああっ! そんなに簡単に、大切な物を失っていいのかよォッ!?な、中島ッ!!」
「……大切な……もの……」
「そうだっ、今のお前にはその本当に大切なも」
どごぉ!
銃声と同時に男子生徒の頭が木っ端微塵に吹き飛び、黒板に綺麗な綺麗な赤黒いトッピングが施された。ウ〜ム、未知の芸術だ。
「大切な物って、『銃』の事だね?
納得納得、君の言いたい事、全て分かって理解して納得したよ。アイライクガン。諸君、私は戦争が好きだ。」
中島がニコニコ顔で死体に話し掛けていると、ある音が聞こえてきた。
犯罪者なら誰もが嫌悪感を抱くあの音。
どんどん学校に近付いてくる。
「……ハゲ校長に呼ばれた奴らかっ」
パトカーのサイレンの音――――国家権力、もとい警察だ。
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君はいったい誰でどんな人だったのだろう

隣でカットしていた小学生が「もみあげはどうしますか?」と美容師に訊かれたが
「もみあげ」の意味がわからなかったらしく「とりあえず揉んどいて下さい」と言った。
俺は爆笑してコーヒーを鏡に向かって吹き出した。

大学を辞めることを友達に告げるためのセリフを考えてたら
別れが辛すぎて一人で30分ほど号泣してしまった。
今までの楽しかった思い出達が走馬灯のように駆け巡った。
今まで仲良くしてくれてありがとう。またみんなで集まるときは呼んでね。
離れてもずっと友達だよね!

しかし辞める予定はまだない。

喪達が力を結集して野ブタを人気者にしたてあげて
泣いた赤鬼みたいに
安心した喪達がせっかく人気者になれたのに一緒にいたら迷惑かけちゃうからって
野ブタの前から消える話だったら毎週泣きながら見るよ

デッサンやってるんだけど、大きい絵ほど描いてて狂いがわからないんだよね。
視線を全く動かさなくても、描いてる内容全体が見渡せる程度には紙から
離れないと、 デッサンの狂いって分かりにくい。
鏡も多分同じ。
至近距離で顔だけ見るってことは要するに、顔の部分部分をバラバラで見て、
それらの断片をアタマの中で再合成してるって事なんだよ。
無意識のうちに脳が行ってることだから、当然自覚はないけどね。
で、その再合成の際に、これまた無意識に「自分の理想」を投影してしまうらしい。

だからどんな鏡でも、ちょっと距離を置いてみると比較的正確に移るよ。
俺も鏡見ながら完璧に髪をセットしたのに、引きで見たら予想外にボリュームがあったりとか
良くあるよ。

http://www.rakuten.co.jp/fragrance-freak/544944/544961/#537178
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温もりを決して冷めさせないように生きています。

『名前のない女たち』の「企画AV女優」というのは、つまりルックス的に主演を張れない複数での出演とか、運動会とかの形で、監督ら(業界)にすき放題に使い捨てされる女優たちのこと。
 彼女たちは、裸でセックスを演じるだけでは使い物にならないとされる(映像的に、ルックス的に)。撮影が終わっても御苦労様などと労われることなく、勝手に帰れば、という扱い。どこまでも消耗的な対象なのだ。
 だからこそ、そこに人間や性の底知れない軽い扱い、過激に走るしかない不毛さ、闇の中の出口なしの時代性の、一つの典型が露に垣間見られるのである。
 AV女優へのインタビュー本では、有名な本で永沢光雄著の『AV女優』(ビレッジセンター)がある。これは名著だと思う。この本は、まさにAV女優として、ほんの束の間ではあれ主役として活躍した女性たちの素性がインタビューと取材で明らかにされる。ともかく、主演女優なのだ。世間的に低く見られているとしても。しかも、AV女優になりたいと思って飛び込む女性も増えているとも聞く。
 しかし、企画女優となると徹底して性の消耗品なのだ。そのある種のどん底で、時に不毛な形で頑張る女たち。しかも、小生はビデオ装置を持っていないので見れないのだが、男としてそんなエグイビデオを見たがる男たち(中には女たち)。 何処までも不毛の連鎖が続く。「どん底」などと書いたが、そこに実は底などないのかもしれない。さらに、さらに果てしない底を目指しての堂々巡りが続く…。

今、読んでいる『顔のない女たち』を読んでいると、現代も不幸な、そして不器用な女が(きっと男も)たくさんいることが知れる。義父にずっと性的虐待を受け、妊娠までさせられたり、男をしょっちゅう連れ込む母親に育てられて、性的なモラルの基準を全く欠如して育ったり、若い頃に90キロまで太って、虐められて、ストレスを抱え、一ヶ月で(!)50キロまで減量して、外見は普通の女の子になったのだけど、その普通さを自分で持て余していたり、とにかくさまざま。

それにしても、人々は住む世界があまりに違う。『顔のない女たち』を読むと、親の影響がいかに大きいかを感じる。赤ん坊が寝ないからといって、ビールを飲ませて寝かせてしまう親に育てられた子が、まともに育つわけもない。
 毎日、違う相手を引っ張り込む親の下で、どうやって性的な人間的な常識を育むことができよう。
 子どもの教育は、殴りつけることしかない親から、絶望と暴力以外にどんな人生訓が得られよう。
 それでも子どもは育つ。が、歪んだ情念は、引き継がれていく。決して平穏で無事な日が来ることはないと知りつつも、世界は続いていくのだ。

読みかけの『顔のない女たち』を一気に読了した。もう、中断することができなかったのだ。AVでも企画モノにしか使われない<女優>たちは、どんな使われ方をされようとビデオに名前が出ることがない。
 多くの場合は騙されてこの世界に迷い込み、裸の撮影だけのはずが、騙されて徹底的に過激なシーンの撮影を強いられてしまう。
 こうした多くの女たちは、まともな家庭では育っていない。但し、外見がまともとかどうか、と言う意味ではない。あくまで内実の話である。一見、世間的には立派な家庭でも、仮面夫婦であり仮面一家であることが多いのだ。
 つまり、世間的に瑕疵のない家庭であることも結構、多いのである。が、家庭の不和が子供に負荷となって加わり、子供は家庭から阻害されていく。
 そうした子供の心のあり方が、学校の同級生に敏感に嗅ぎ取られ、やがて、虐めの対象とされてしまう。そして彼女たちの居場所は何処にもなくなってしまう。
 街を歩く多くの女性。普通の女性。そんな女性がいるのかどうかは分からないが、普通とはどういうことかを考えてしまう。
 普通の人々とは、ある集団の中で(学校や職場や地域社会)虐めの側に回るか、少なくとも虐めを見て見ぬ振りをする類の連中だ。
 虐められる人、虐めを見たら阻止する人、そういう人こそが普通でない人間なのだね。

Yさんも言うように、『顔のない女たち』は、ショッキングな本だ。読んでみると、別に殊更、悲劇的なエピソードを作りたてているとは思えない。
 返って、インタビューしているライターが、いつもあっけに取られているのが痛いほど分かる。
 AVの世界は、徹底して欲望が剥き出しにされる世界でもある。その世界に、しかも単体として名前を被せることもない顔のない女たちは、徹底して消耗品扱いなのである。
 いつかは芸能人を夢見て飛び込む無垢な女性が、騙されてあっという間に、過去の虐げられた学生時代以上に役者やプロダクションに痛めつけられ、使い物にならなくなると放り出されてしまう。
 キラキラした化粧に本当の自分を隠し埋めてしまう。消費社会、欲望に忠実な社会、性的タプーを誰も設けることができない社会。とんでもなく欲望が肥大した社会に無邪気な男の子も女の子も裸で、何らの武器もなしに飛び込まされるのだ。
 そのうちに、この現実を小生流に、えげつなく悲しく描いてみたいものだ。

『名前のない女たち』のはずが、いつの間にか『顔のない女たち』に変わっている。例によって小生のドジである。
 しかし、名前のない女ということは、顔のない女ということ、人格を根底から否定されている女ということなのだ。
 この本についての書評を書こうにも、ちょっと言葉がない。
 今日、テレビでチェーンソーの選手権がテレビ東京でやっていた。一本の木をチェーンソーを使って、丸木舟を作ったり、待ち合わせの場所となるモニュメントを作ったりして、会場である町の町民の投票などでチャンピオンを選んでいく。
 誰がチャンピオンになっても構わないような、味のある作品世界が木から刻みだされてくる。そうした作業に熱中する男達の真剣な顔。目の輝き。
 世界は、もっともっと豊かだということ、そのことにせめて彼女たちに気付いて欲しいと思うけど、時間が掛かるし、そうした世界の人間たちとの出会いの可能性というのは極めて難しかったりする。出会うだけの値打ちはあるんだけど。













「挫折を知らず生きてきて、結局自分には何もない人妻」

 「超デブ・ブスを乗り越えてキレイになった自分の価値を、援交の瞬間でしか確認できないセックス依存症ギャル」

 「流産してリストカットに走る自分を、AVの仕事で癒す元・公務員」

 「趣味・関心・夢ナシ。セックスを断るのも面倒くさいコギャル」

 「性的虐待を受けつづけて妊娠、ソープ嬢を兼業する看護婦」
posted by tuto at 22:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

映画化決定

           ___
          ./    \
          .| ^   ^ |
          | .>ノ(、_, )ヽ、.| <あまり彼女を死なせない方がいい
         __! ! -=ニ=- ノ!___
    /´ ̄ ̄ .|\`ニニ´/    `ヽ
   {      .|__  ̄ ̄ヾ      } 
   i;;',,,  r---イ     /|,、_,,  ,',;:',i
   .l;';',;,,  }  /;\     / ヽ / ,;,;;',;l
   .|;;',;,   } ./;;;,, \   / ;;;;;;ヽ ,,;;','i
   i;',,   / /;;,',';;  ノ--, ',',;;::',',゙i ,,';';i
   i;,';  /./,',',';;" /   \ ',',',;;,'i ,;',i
  /  / i 、  /    ヽ ',;::'、|  \
 ヽヽヽヾ丿  〈       ヽ''  {////
  ```` ト,   i        | 、 i´´´
      |',',;;  }        ! ',',;;i
      |,','、 /        ヽ',',','|
      !;;', /          !,',;,;'|
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2005年11月17日

しかたない居るかというキモチが何本もささってる黒土

しかたない居るかというキモチが何本もささってる黒土

例えば庭に植えてあった木が邪魔だと言って切り、その木は小さく
裁断され、そこから何処へ行くのか。
ゴミではないから自然へと返されるのだろうか、それとも焼かれるのだろうか
分担社会だとそれすらも分からない
昨日まで庭にいた木のことさえも今日はもう分からない。
posted by tuto at 22:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

 

早く!早く現金を集めて童貞を素人童貞にパワーアップさせるんだー!
はやくー!
posted by tuto at 22:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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